掲載日 : [2019-07-24] 照会数 : 7129
全従業員にヘイト文書…フジ住宅に人権救済勧告 大阪弁護士会
[ 大阪弁護士会館 ]
在日3世女性 損害賠償請求訴訟も
【大阪】大阪弁護士会(今川忠会長)は11日、社内で全従業員に対して韓国又は韓国国民に対する侮蔑的表現を含むヘイト文書を配布するなどしてきたとして大手住宅メーカー「フジ住宅株式会社」(本社・大阪府岸和田市)に対し、人権救済勧告を行った。同社で働く在日韓国人3世の女性が精神的苦痛を受けたとして2015年3月6日付で適切な救済措置を求め、さらに損害賠償請求訴訟も提起した。
申立人によれば業務中、会社側から民族差別的な内容やいわゆる「自虐史観」を攻撃する内容を含んだ新聞や雑誌のコピー、「嫌韓本」「嫌中本」などの配布を受け、感想文を書くように促された。また、特定の歴史観、思想・信条に基づく中学校歴史・公民教科書の採択で申立人を含むすべての従業員を実施的に動員し、その報告を求めた。
審査にあたった同人権擁護委員会は「申立人を含めた従業員が自己の思想・良心を侵害される恐れの高いことは否定できない」と認め、①大韓民国等本邦外出身者の国民性を侮辱する文書を配布しないこと②特定の教科書を採択させるための運動に従事させ、その報告を求めてはならないと勧告した。
支援団体の「ヘイトハラスメント裁判を支える会」は16日、フジ住宅と同社の今井光郎会長に対し、勧告を真摯に受け止めるよう求める声明を発表した。
(2019.07.24 民団新聞)