掲載日 : [2019-10-01] 照会数 : 10780
北の体制転覆いつ起きても…脱北・姜哲煥氏と対話集会<北送60年>
[ 講演する姜哲煥氏(左) ]
咸鏡南道耀徳の第15号管理所(政治犯収容所)で19歳までの10年間を生き抜き、92年に韓国亡命を果たした姜哲煥氏(社団法人北韓戦略センター代表、ソウル市)が9月27日、都内で北韓の内部実態について語った。
「北朝鮮の強制収容所をなくすアクションの会」(「NO FENNCE」小川晴久代表)が北送から60年を迎えるにあたり、姜氏との「対話集会」として企画した。
北送の両親
姜氏の両親も京都市から北に渡った在日同胞だ。姜氏は昨年2月の米朝首脳会談が決裂したことで、北韓外務省の実務者5人が平壌で公開処刑されたとの伝聞について「事実」と認めた。このほかにも数十人が収容所に送られたという。姜氏は「本来、(朝鮮労働党中央委員会副委員長の)金英哲こそが責任を負うべきだった。力の弱い人たちに罪を背負わせた」と批判した。
粛清は秘密警察にあたる国家保衛省の主要な局長クラス、政治査察機関として絶大な権力と外貨稼ぎで経済的既得権の2つを握る朝鮮人民軍総政治局、最高権力者を守る護衛司令部にまで及んだ。いずれも不正蓄財が疑われたようだ。護衛司令部司令官は今年6月末から7月にかけて公開処刑して市民を驚かせた。姜氏は「いまや内部からクーデターが起きても人々は驚かないだろう」と断言した。
国連制裁も着実に浸透
国連制裁も北韓経済に深刻な影響を及ぼしているという。かつては石炭輸出で年間14億㌦稼ぎ、このうち4~5億㌦が幹部の懐に入っていた。いまはこの不正蓄財もストップしている。
姜氏は「北ではいつでも体制がひっくり返る可能性がある。韓国と米国、日本が手を結べば導火線に火をつけられる」と述べた。
(2019.10.02 民団新聞)