掲載日 : [2023-04-05] 照会数 : 2599
花開く韓国フィギュア、世界選手権でそろって銀
[ 李海仁選手(写真ISU) ] [ 車俊煥選手(写真ISU) ]
フィギュア女王が撒いた種が花を咲かせた。李海仁選手(17)と車俊煥選手(22)がフィギュアスケート世界選手権で並んでメダルを獲得した。
「才色兼備、誇り高き妓生」李海仁選手
車俊煥選手「男子初のメダル」
金ヨナ選手に憧れて 有望な若手、次々に台頭
李海仁選手は24日、さいたまスーパーアリーナで開かれた国際スケート連盟(ISU)世界フィギュアスケート選手権大会2023の女子シングル・フリースケーティングで技術点75・53点・芸術点71・79点で計147・32点をマークした。
ショートプログラム(73・62点)と合算した合計220・94点で、坂本花織(224・61点)に続いて2位に入った。
車俊煥選手は25日に開かれた男子シングル・フリースケーティングで196・39点を記録した。ショートでISU公認個人最高点を記録した車俊煥はフリーでも従来の自己最高点(182・87点)記録を13・52点も引き上げた。合計296・03点をマークした車俊煥は宇野昌磨(301・04点)に続いて銀メダルを首にかけた。
韓国フィギュアの歴史上、世界選手権でメダルを獲得した選手は金ヨナ(33)さんが唯一だった。金さんが2013年カナダ、ロンドン世界選手権で優勝した後、韓国選手は表彰台に上がることができなかった。しかし今大会では同時に2人の選手がメダルを獲得した。
活躍は2人だけにとどまらない。世界選手権に初出場したキム・チェヨン(17)選手はフリースケーティングで3位(139・45点)につけた。 ショートを加えた総合順位は6位(203・51点)だ。3選手の活躍のおかげで韓国は来年の世界選手権にも男女シングルそれぞれ3人が出場できることになった。
幸運も重なった。女子シングル最強国のロシア選手はウクライナ戦争の余波で今大会には参加しなかった。ロシアは北京オリンピック(五輪)で金・銀メダルをさらった。男子シングルは、世界トップを守っていた羽生結弦が引退したほか、ジャンプの天才ネイサン・チェン(アメリカ)が学業のために今季をあきらめた。五輪直後のシーズンには全力を出さない選手が多い。
それでも今季の韓国選手の成果は注目に値する。金ヨナさん以降、初めて4大陸選手権の金メダルを李海仁選手が、グランプリ金メダルを金芸林選手が獲得した。ジュニア世界選手権でも女子シングル銀メダルはシン・ジア選手、アイスダンス銀メダルをイム・ヘナ選手が獲得した。
韓国フィギュアの歴史はキム・ヨナ以前と以後に分かれる。フィギュア不毛地だったが金ヨナ選手登場以降、すべてのことが変わった。金選手を見て夢を育んだ金芸林選手や劉永選手、イム・ウンス選手らが著しく活躍、戦国時代の激しい競争を繰り広げた。
李海仁選手も金ヨナ選手の影響を受けた。金さんが出演したアイスショーをみた9歳の時から選手になりたいと両親に夢を語ったという。金ヨナさんから日頃のアドバイスをうけながら自然に競技力向上につながったと語る李海仁選手は「競技に臨む姿勢はもちろん、競技以外のものについても多くの助言をもらった。金さんは私にとって憧れの人」と感謝した。
一方、車俊煥選手は金ヨナさんと直接的な関連はないが、金さんの成長過程をうまく自分に合わせ取り入れた。 訓練環境が整っているカナダで体系的に訓練を続け、金さんを指導したブライアン・オーサー、ジスラン・ブリアンという2人の名コーチに出会って成長した。
李海仁選手は昨季代表選抜戦から脱落して夢に描いていた五輪への出場が叶わなかったが、今季はステップやスピンなどすべてのパフォーマンスに磨きがかかっていた。
車俊煥選手は慢性的な股関節の負傷のせいで今季は印象的な成績を出すことができないでいた。しかし世界選手権では4回転ジャンプを3回(ショート・フリー)すべて成功させた。コンビネーション・ジャンプまで完成させれば、2026年ミラノ五輪でもメダルは夢ではない。
(2023.04.05民団新聞)