掲載日 : [2015-11-05] 照会数 : 9249
<韓日首脳会談>関係の一層発展で一致…「慰安婦」妥結へ交渉加速
[ 青瓦台での韓日首脳会談に先立ち握手する朴槿恵大統領と安倍晋三首相(2日) ]
朴槿恵大統領と日本の安倍晋三首相は2日、青瓦台で韓日首脳会談を行い、両国関係の改善に向けて意見を交わし、最大の懸案となっている旧日本軍の慰安婦問題について、できるだけ早期の妥結を目指し交渉を加速させていくことで合意した。また、両首脳は北韓の核・ミサイル問題への対応をめぐり、韓日、韓日米の緊密な連携も確認した。韓日首脳会談の開催は2012年5月、当時の李明博大統領と野田佳彦首相間の会談以来、3年半ぶり。
朴大統領と安倍首相による正式な首脳会談は初めて。会談は午前10時すぎに始まり、前半の約1時間は朴大統領と安倍首相のほか両国外相らを交えた少人数会合、後半の約40分は両国の政府関係者らを交えた拡大会合の形式で行われた。
青瓦台の金奎顕外交安保首席秘書官は、韓日首脳会談が終わった後の記者会見を通じて「両首脳は今年が韓日国交正常化50周年の転換点にあたるという点を念頭に置き、できるだけ早期に慰安婦問題解決のための協議を加速化させることで一致した」と伝えた。
金首席によると朴大統領は「慰安婦問題が両国関係改善の最も大きな障害物になっていることを指摘し、この問題を被害者が受容できて、韓国国民が納得できる水準で早く解決されなければならないという点を強調」した。
朴大統領は拡大会談の冒頭発言で「私は外交では信頼を最も重要と考える」とし、「今回の会談が歴史の痛みを癒やせる大局的で心のこもった会談となり、両国関係を発展させていく重要な機会になることを期待する」と述べた。また、「日本にも韓日関係は真実と信頼に基づくべきだという『誠信之交隣』をうたった先覚者がいると聞いている」と語った。その上で、「安倍首相の韓国訪問を歓迎し、(第2次安倍内閣発足後)初めて首脳会談を開くことになったが、今年が国交正常化50周年ということでさらに格別な意味がある」と強調した。
安倍首相も「この機会を持ったことは両国国民にとって大変意義深い。未来志向の日韓関係の新たな時代を築くべく、大統領と努力していきたい」と会談の意義を強調した。
安倍首相は会談後、記者団に対し、焦点の慰安婦問題について「未来志向の協力関係を構築していく上で、将来世代に障害を残すことがあってはならない。国交正常化50年の年であることを念頭に、できるだけ早期の妥結をめざして交渉を加速させることで一致した」と明らかにした。さらに、「様々な懸案について、率直に意見を述べ合うことが大変大切だ。日韓関係を改善していくうえで、これがスタートではないか」と述べた。
両首脳は、経済分野では両国の自由貿易協定(FTA)と東アジア地域包括的経済連携(RCEP)交渉で緊密に協力していることを評価し、協力を続けていくことにした。また環太平洋経済連携協定(TPP)の韓国加入問題についても協力することで合意した。
(2015.11.4 民団新聞)