植民地下の韓国で刊行された実物の絵はがきを通して当時の暮らしぶりを知ろうという「絵はがきで知る朝鮮‐1945年まで」が東京の高麗博物館(樋口雄一館長、新宿区大久保)で開かれている。同博物館の開館10周年を記念しての企画展。
展示絵はがきは約200枚。一部は彩色されている。植民地期の朝鮮や在日朝鮮人史を研究してきた樋口館長が今回の企画展のため、個人コレクションの一部を提供した。絵はがきはA1サイズのパネルに収めてある。興味深いのは生活と風俗をテーマにした絵はがきの数々。河辺での洗濯風景、秋の風物詩ともいうべき砧打ち、機織りなど、洗濯機やアイロンが普及した現在ではほとんど見られなくなった情景ばかり。
一部の絵はがきのタイトル・解説には差別的用語が使用されたり、正しくない表現も見られるが、「植民地支配の実態を知るうえで重要」としてそのままにしてある。
10月2日まで(月・火曜日休館)。開館時間12〜17時。一般400円、中高生200円。問い合わせは高麗博物館(℡03・5272・3510)。
(2011.8.15 民団新聞)