在日韓人歴史資料館(黄迎満理事長、姜徳相館長)は10日、「第59回土曜セミナー」でソウル特別展「列島の中のアリラン‐在日同胞の100年」を振り返った。
報告によれば、特別展に足を運んだ人々の多くが在日同胞への認識を新たにし、温かいまなざしを注いでいた。ソウル歴史博物館会場内に置いた寄せ書きを見ると、「今まで知らなかった在日同胞の辛い人生を知ることができた」「私たちは家族。韓国に来て」といったものも見受けられた。
とりわけ胸を熱くさせたのは、「いつでも思いは故郷に」のコーナーだった。88年ソウル五輪の成功を願って100億円を超える募金を集めた事実を会場で初めて知ったという観覧者は、アンケート用紙に「異境暮らしと故国愛、オリンピック後援支援金史上最高額!」と、驚きを持って記した。
今回のソウル展は、在日同胞を「移民」と考える韓国国内との「視点の違い」を正すことに最大の目的があった。姜館長は、「植民地期に故郷を失った在日同胞の辛酸を韓国の人に知ってもらったことで、今回のソウル展は大きな意義があった」と強調した。ソウル特別展は8月10日から10月7日までの53日間、開催された。観覧者数は16万2971人だった。
(2012.11.21 民団新聞)