法律相談Q&A

在日同胞の、在日同胞による、在日同胞のための生活者団体


法律相談Q&A 内容

掲載日 : [22-04-11]   照会数 : 2035

交通事故の損害賠償…多岐にわたる賠償額の目安

Q

 先日、自動車を運転中に赤信号で止まっていたら、後ろから自動車に衝突されてしまいました。短期間の入院の後に病院に通院し治療を終えました。

 この場合、加害者に交通事故の損害賠償として請求出来る内訳を教えて下さい。

 また、治療終了後に相手方が加入している任意保険会社の方から示談の申し入れがあった場合、応じても良いのでしょうか?

A

◆請求出来る内訳
 交通事故の損害賠償として請求出来る内訳は①治療費②通院交通費③入院雑費④休業損害⑤入・通院慰謝料⑥後遺症慰謝料⑦後遺症による逸失利益⑧物的損害です。

 その他にも場合によっては、介護費用や介護のための自宅改造費用、死亡事故の場合は、葬儀費用などが請求出来ることがあります。

 それでは①から⑧までを具体的に説明していきます。

 ①治療費
 治癒(ケガが治ること)又は症状固定(治療しても回復が見込めない状態)までに病院にかかった費用です。

 医学的にみて必要性、合理性のない診断や一般的な診療費、治療費の水準に比べて、著しく高額な場合は、過剰診療、高額診療として否定されることがありますので、注意が必要です。

 また、特別室の費用は大部屋でも治療が可能であるのに、あえて特別室を使用している場合には、損害として認められないことがあります。

 ②通院交通費
 病院までの交通費です。公共交通機関を利用した場合はその実費、自家用車を使用する場合は、基本的に1㌔㍍につき15円を燃料代として請求することができます。

 タクシーに関しては公共交通機関での通院が困難な場合などは認められますが、保険会社と争いになることが多いので、事前に承諾を得ることが望ましいです。

 ③入院雑費
 入院した場合、入院中にかかる雑費を1日1500円(裁判基準)請求できます。

 ④休業損害
 事故により会社を休んだことによる収入減少分に当たります。

 ⑤入・通院慰謝料
 交通事故により被った精神的苦痛に対する金銭賠償です。慰謝料の金額は、治療期間や被害者の立場などによってある程度基準化されています。

 ⑥後遺症慰謝料
 後遺症を被った精神的苦痛に対する金銭賠償です。等級により、金額の基準が定められています。

 ⑦後遺症による逸失利益
 後遺症により将来の収入の減少に対する補償のことです。

 ⑧物的損害
 自動車修理費等です。

◆交通事故の算定基準
 交通事故の算定基準には、①自賠責基準②任意保険基準③裁判基準があります。任意保険の会社は、自社の任意保険基準で賠償額を提示してきます。

 弁護士に相談、依頼いただくと、裁判基準での損害額の目安を計算して提示したり、依頼者に代わって保険会社との対応をしたり、保険会社との交渉の結果、請求出来る損害賠償額が増えるなどのメリットがありますので、弁護士費用や解決にかかる時間などを考慮して、示談をするか否かを検討されるのが望ましいと思います。

弁護士 崔順伊
 

法律相談Q&A リスト

  [total : 39] ( 1 / 2 )
番号 タイトル カテゴリー
39 亡き父の遺言 内容知りたい…家裁または公証役場、法務局へ 相続
38 アイドル活動と違約金…業務委託でも一般常識で検討を ビジネス
37 財産相続と民事信託…安心して家族に財産管理 相続
36 残業代・未払賃金の請求…管理責任者とは認められない場合も ビジネス
35 無断駐車された場合…所有者に自主的に撤去してもらう 不動産
34 「黒い雨訴訟」と被爆者健康手帳…原告以外でも交付申請可能 生活情報
33 交通事故の損害賠償…多岐にわたる賠償額の目安 生活情報
32 離婚と養育費…期間は子が自立するまで 結婚
31 実母と異なる戸籍記載…「親子関係存否確認」の訴えを 相続
30 韓国籍家族の死亡時の手続…死亡届記載事項証明書を請求 その他
29 この部屋、事故物件?…自然死などは告知義務なし 不動産
28 日本の公務員、韓国籍では…「権力的」公務員には制限 国籍
27 国籍が違う夫婦の離婚…どちらの法に拠るか注意を 結婚
26 売掛金回収…仮差押えは周到に準備 ビジネス
25 隣家の木の枝越境してきた…勝手に枝を切れません 生活情報
24 性犯罪被害と匿名性…不安解く手立て様々に 生活情報
23 コロナ理由の休業とアルバイトの補償…正社員と同等に ビジネス
22 コロナ禍の従業員の解雇…4つの要件満たす必要 ビジネス
21 2重国籍の選択…成人になった時の意思に 国籍
20 突然の賃貸解約通知…「正当事由」あるかの争いに 不動産
19 主権免除について…「絶対」から「制限免除」へ ビジネス
18 韓国保有財産から借金の回収方法は…韓国の裁判所に提訴 生活情報
17 賃貸物件修繕と改正民法の関係…貸借人の権利が明文化 不動産
16 受遺者が先に死去...「予備的遺言」の活用を 相続
15 単純承認と限定承認 …財産管理人選任と清算手続きを 相続
14 韓国に相続人、遺産分割は …家裁に調停申し立ても 相続
13 不倫と離婚…婚姻費用の請求が可能 結婚
12 相続登記 遺言書の有無で大きな差 相続
11 残業代の請求…証拠の確保が重要 ビジネス
10 店舗賃料の減額請求…まず「民事調停」申し立て ビジネス
9 簡易裁判所で少額訴訟 貸した10万円 返してもらう 財産
8 死後認知、速やかに訴訟提起を 相続
7 相続人が不明な財産…所有権を「時効」により取得 相続
6 遺言のメリット…日本法での相続が可能に 相続
5 韓日国際結婚と姓名 選択肢は多数…家族で相談を 結婚
〒106-8585 東京都港区南麻布1-7-32
TEL : 03-3454 -4901 ~ 8  FAX : 03-3454-4614
© Copyright 2018 MINDAN. All Rights Reserved