掲載日 : [20-06-10] 照会数 : 24405
韓日国際結婚と姓名 選択肢は多数…家族で相談を
Q
私たち夫婦は「沢村」という名前で帰化しましたが、息子は韓国籍のままで「金」を名乗って生活しています。その息子が日本人の「山口珠美(たまみ)」さんと結婚することになりました。彼女は結婚したら「金」ではなく、できれば半年後に生れる子どもと一緒に私たちの「沢村」を名乗りたいと言っています。息子としては妻子とも「金」を名乗ってもらえたらとの思いが強いようです。息子夫婦にアドバイスできますか?
A
◆日本の役所の場合
韓日国際結婚における夫婦とその子どもの姓名はどうなるのか、婚姻届や出生届をするときになって、どうしたらいいのという相談が増えています。
日本の市区町村役場に婚姻届をして出生届をした場合について説明します。
この場合、夫「金」と妻「山口」の別姓のまま、生まれた子どもは妻「山口」の日本の戸籍に登録されて「山口」を名乗ることになります。ただし、結婚して6カ月以内であれば役場への届出だけで妻の「山口」を「金」に変更でき、その後に生まれる子どもも「金」を名乗ることになります。
なお、日本のパスポートに記載される子どもの「金」のローマ字表記を「KIN」ではなく「KIM」とすることもできますが、クレジットカードのローマ字表記などとあわせて同じ表記にしておくと海外で身分証明を求められたときに不便なことにならずに済みます。
ご質問のように、もし、「金珠美」の語呂が良くないから妻子ともに「沢村」を名乗りたいのであれば、家庭裁判所の許可をもらって「山口」から「沢村」に姓の変更手続きをしなければなりません。「金」しか名乗っていない夫が「沢村」を市区町村役場に通称名登録すると許可が通りやすくなります。また、子どもにだけ夫と同じ「金」を名乗らせたい場合も家庭裁判所の許可による姓の変更手続きが必要です。
◆まとめ
以上をまとめると、まずは、5つのバリエーションがあります。
①夫「金」、妻「山口」、子ども「山口」
②夫「金」、妻「金」、子ども「金」
③夫「金」、妻「山口」、子ども「金」
④夫「金」(通称「沢村」)、妻「沢村」、子ども「沢村」
⑤夫「金」(通称「沢村」)、妻「沢村」、子ども「金」。
以上は夫中心に説明しましたが、逆に夫が妻の「山口」を通称名登録するという選択肢もあります。
◆韓国での場合
また、韓国(韓国領事館)で先に婚姻届や出生届をした場合、名前の問題以前に子どもに韓日二重国籍を持たせておきたいのであれば、出生日から3カ月以内に「日本国籍留保」と注記して日本の市区町村役場に出生届をしてください。
韓日国際結婚のご夫婦とそのご家族みなさんでいろいろな場合を考え、よく話し合ってみてください。