掲載日 : [2023-02-15] 照会数 : 4095
仁荷大 早稲田大、韓日大学生が共通のテーマで映画制作
[ 東京スカイツリーで撮影する韓国チーム ] [ 新宿区内で撮影する日本チーム ]
早稲田大学映画研究会と韓国・仁川市の仁荷大学ライトハウスが合同で2本の映画を制作している。共通テーマは「住む国が違う。それだけなのに」。韓日の大学生が合同で映像制作プロジェクトを組むのは全国でも珍しい。映画は3月中に編集・完成し、両国の映画祭に出品する。
「住む国が違う。
それだけなのに」
韓国チームが撮影中の映画「YOU ARE MY DREAM」(朴ユビン監督〓仁荷大学文化コンテンツ文化経営学科3年)は「地の隔たり」がテーマ。朴監督は小さいころから日本のアニメや街並み、文化が大好き。大学に入学したら日本で映画を撮るのが夢だった。しかし、世界的な感染症の広がりで海外渡航が禁止に。そのような状況でドラマ仕立ての脚本を書いた。
一方、日本側の「それでも」は在日韓国人と日本人の「未だなくならない血の隔たり」がテーマ。津川拓真監督は「社会の最小単位である家族に焦点をあて、人と違うバックグラウンドを持つ人がどのようにして生きてきてどのようなまなざしを向けられてきたのかを考えるきっかけにしたかった」と話す。
それぞれ約20分ほどのショートフィルムの編集・完成をめざしている。主要舞台は早稲田大学キャンパスのある東京・新宿区内。4日間の撮影期間中、韓国チームは墨田区のスカイツリーでもロケを敢行した。
合同プロジェクトは昨年、仁荷ライトハウスが早稲田大学映画研究会に寄せた「一緒に映画を撮りたい」という1本のラブコールから始まった。早稲田大学映画研究会の幹事長に就任した渡邊花奈さん=早稲田大学基幹理工学部表現工学科2年=が「面白そうだな」とプロデューサーを買って出た。
渡邊さんは「『地』と『血』を違える日本と韓国の学生が協働し、企画を成功させることで、私たちが『隔たり』に打ち勝つことができること。互いに理解しあい、高めあうことができる存在なのだということを証明したかった」と話す。渡邊さんら制作委員会の熱意に新宿区観光振興組合と東京スカイツリーもタイアップという形で応えた。
韓国チームは日本での合同撮影を終え、帰国した。東京学生映画祭、ぴあフィルムフェスティバル、全州国際映画祭、釜山国際映画祭への出品を予定している。日本と韓国での劇場上映は8月の予定。
(2023.2.15民団新聞)