掲載日 : [2020-07-29] 照会数 : 6192
【新刊紹介】戦争下の隠された暮らし
日本の植民地時代、上海に樹立された「大韓民国臨時政府」の一員となった、ヤン・ウジョ(楊宇朝)と妻、チェ・ソナ(崔善嬅)の娘の成長記録をもとにした、パク・ゴヌン著『ウジョとソナ独立運動家夫婦の子育て日記』が里山社から刊行された。
本書は、1938年7月4日から約8年間にわたる、長女、ジェシーについての育児記録になる。29年、ウジョは中国へ渡り、臨時政府の一員となった。37年、臨時政府財務次長に任命された翌年、長沙の地で、第一子となるジェシーが誕生する。だが、日中戦争によって臨時政府とその家族は避難生活を余儀なくされる。
戦火の日々の中、あらゆる困難に耐えながらも、ウジョ夫婦が我が子へ向ける温かい眼差しと慈しみの心は変わらない。本書は、日本に植民地支配と日中戦争下で祖国の独立を信じて生きた人たちの隠された暮らしを知ることができる貴重な1冊である。
定価2600円+税。問い合わせは里山社(044・712・4100)。
(2020.07.29 民団新聞)