3寺は見送り
韓国が世界文化遺産への登録を申請していた「韓国の伝統山寺」7寺について、登録の可否を事前審査する国連教育科学文化機関(ユネスコ)の諮問機関、国際記念物遺跡会議(イコモス)が7寺のうち、通度寺(慶尚南道・梁山)、浮石寺(慶尚北道・栄州)、法住寺(忠清北道・報恩)、大興寺(全羅南道・海南)の4寺について登録するよう勧告した。韓国文化財庁が4日発表した。
ただし、鳳停寺(慶尚北道・安東)麻谷寺(忠清南道・公州)、仙厳寺(全羅南道・順天)の3寺は歴史的な重要性がはっきりと示されず、規模が小さいため、見送られた。
6月24日から7月4日まで、バーレーンで開催されるユネスコ世界遺産委員会の審査を経て登録が確定するが、イコモスに勧告されたため、4寺の登録は確実視される。
文化財庁は昨年1月、伝統山寺を世界遺産に登録するため、ユネスコに申請書を提出しイコモスの審査を受けていた。
登録勧告を受けた4寺は7世紀以降、韓国仏教の伝統を現在まで受け継ぐ総合寺院という点で世界遺産の必須条件である「卓越した普遍的価値」が認められた。個別遺産の真正性、完全性、保存管理計画なども十分な要件を備えたものと評価された。
一方でイコモスは今後増えることが予想される観光の需要に対する対応策や整備計画を用意し、寺の敷地内に建築物を作る際には世界遺産センターと協議しなければならないとの条件を提示した。
今回、3寺が見送られたものの昨年、世界文化遺産に登録された日本の「『神宿る島』宗像・沖ノ島と関連遺産群」も当初は構成資産8件のうち、4件が除外されていた。世界遺産委員会では8件全てが登録されたことからも、文化財庁ではイコモスが除外した3寺を含む7寺全てが登録されるよう、補完資料を作成し、委員国への交渉活動を展開していく計画だ。
(2018.05.16 民団新聞)