掲載日 : [2022-01-18] 照会数 : 5388
補償と名誉回復担う…韓国人元戦犯2世が決意
[ 講演する朴來洪さん ]
韓国・朝鮮人元BC級戦犯者「同進会」の副会長を務める在日2世、朴來洪さん(65)が14日、西東京の武蔵野プレイスで講演し、故李鶴来会長の遺志を継いで立法を求める運動を継続していくことを誓った。朴さんの父親は同進会のメンバーだった故朴昌浩氏。
朴昌浩氏は全羅南道光陽郡出身。18歳のころ「募集」に応じ、最末端の軍属として従軍。ジャワからビルマにオランダ、オーストラリア、米国関係の捕虜を船で輸送の途中、船内で伝染病が発生し、多数の捕虜が死亡した。昌浩氏は責任を問われオランダ法廷で死刑判決を受けたが、後に重労働15年に減刑された。
解放後は巣鴨プリズンで服役。仮出所の知らせにも、住宅あっせんや被服および寝具の支給、一時生活資金(7万円)の支給を求めて拒否した。これは巣鴨を仮出所しても仕事も住宅も持たないまま異国で困窮した仲間たちを思ってのことだった。
來洪さんは足立区千住生まれ。渋谷区幡谷を経て1959年ごろ田無市に住宅の斡旋を受け、移り住んだ。近隣には同様の境遇に置かれた韓国人家族12世帯がいた。大学生のときから在日社会と深い関りをもち、地元西東京本部では青年会会長を歴任した。
李会長亡き後、旧日本軍が負うべき戦争責任を肩代わりさせられた不条理を訴え、補償と名誉回復を訴えていくのが自らの使命と考えている。あらためて同進会の2、3世にも運動の継続を呼びかけていくという。
(2022.01.19 民団新聞)