掲載日 : [2021-09-07] 照会数 : 8202
金昭夫さん75歳の歌手デビュー 民団生活相談センター所長
[ 「新宿しぐれ」で歌手デビューした金昭夫さん ]
金昭夫さん 演歌好きカラオケ経営
民団中央の生活相談センター所長で、大手カラオケルームチェーン店、「カラオケ747」を経営する金昭夫さんがこのほど、日本コロムビアから本格歌手デビューした。
デビュー曲は「新宿しぐれ」で、石原信一さんが作詩し、大御所の作曲家・岡千秋さんが曲を付け、伊戸のりおさんが編曲という、本格3連ブルース演歌だ。カップリングには村田英雄の大ヒット曲「夫婦春秋」のカバーを収録している。
金昭夫さんは茨城県下館市出身。6人兄弟の次男として生まれた。ただ、貧困だった上に、父は仕事をせずに毎日酒を浴びて、時には母を殴るなど、今で言う「DV家庭」だった。
「子どもの頃の夢は?」と聞くと、「あのような家庭だったので、スポーツも何も趣味を持てる余裕なんてなかった。それでも、大好きだったのは歌うことでした」と目を細める。
幼少期から演歌が大好きで友人たちからも不思議がられた。特に三橋美智也さんの歌声が大好きで「古城」「哀愁列車」「母恋吹雪」は母を想いながら歌っていたという。
また、一番思い出に残っている歌は元祖「御三家」のひとり、舟木一夫さんの「高校3年生」だ。題名と同じ高校3年生の時で、同年代でもあり、同じ高校生ながら、「雲の上の人」のような存在だった舟木さんの歌いっぷりにあこがれていた。
貧困な家庭の為、1日でも早く働き、母を助けたいと思い、若年から商売を始めたが、辛い時には演歌を歌うと勇気があふれて事業を伸ばすことができたという。
そんな演歌が大好きなこともあり、日本で一番最初にカラオケルームを池袋でオープンした。新宿、渋谷、原宿、五反田、新橋など、一時は都内各地に30店舗以上に拡大して、自らも好きな演歌を歌い続けた。カラオケ店を営んだのは、深い運命だったのかも知れない。
「歌うときが 一番幸せそう」
歌手デビューして、真っ先に喜んでくれたのが奥さんだという。20歳の時に結婚し半世紀以上、喜怒哀楽をともにしてきたが、大好きな歌を歌うときが一番幸せそうだったからだ。
約1年ほど前、介護施設のカラオケルームで一人で歌っていたところ、プロダクションの社長に「それほどの歌唱力なら、一度はCDを出して見ては」とレコーディングを薦められ、75歳という異色の歌手としてデビューにいたった。
9月15日には、デビューを紹介する、BS日テレの「令和歌謡塾」(毎週水曜、午前5時~5時30分)に出演する。
ユーチューブでも「新宿しぐれ」の公式チャンネルでPVなどが視聴できる。
(2021.09.08 民団新聞)