掲載日 : [2022-06-08] 照会数 : 2262
【新刊紹介】嫌われネコがヒヨコを産んで…
弱いものいじめばかりして嫌われもののねこ、ニャンイが、ひょんなことからひよこ、ピヤキを産み、品行方正な保護者として生まれ変わるという家族愛の物語。
ニャンイは鳥小屋の前で大好物の生まれたての卵をみつけた。食べたら日に日におなかが膨らむ。まるで妊娠したかのようだった。たまらずトイレに駆け込んだニャンィのお中から出てきたのは、ひよこだった。
ニャンイはピヤキと名付けた。一緒に過ごすうちピヤキに愛情を抱き、子育てに没頭。いつしかご近所さんから「ピヤキのママ」と呼ばれるようになった。ニャンイの表情からはかつてのどう猛さが消えていた。
著者のペク・ヒナさんは2020年に「絵本界のノーベル賞」といわれるアストリッド・リンドグレーン記念文学賞を受賞した韓国の著名な絵本作家。これは11年に韓国で刊行された初期の作品だ。刻々と変化していくニャンイの表情が楽しい。翻訳は長谷川義史さん。
『ピヤキのママ』ペク・ヒナ作。定価1650円(税込み)。
ブロンズ新社(03・3498・0745)。
(2022.06.08 民団新聞)