民主統合は127 統合進歩13 自由先進5
【ソウル】11日に行われた第19代国会議員総選挙(定数300。地域区246・比例代表54)で「未来選択論」を訴えた与党セヌリ党(旧ハンナラ党)が単独で過半数を上回る152議席を確保し、事実上の勝利を収めた。「政権審判論」を掲げ統合進歩党と選挙協力した民主統合党は、ソウルなど首都圏で躍進したが127議席にとどまり、第1党奪取に失敗した。統合進歩党は13議席で第3党に浮上。自由先進党は5議席にとどまり、その他無所属が3議席となった。今回の選挙から在日など海外定住同胞も政党を選ぶ比例代表で初めて投票した。
「未来選択論」に支持
12月の第18代大統領選挙の前哨戦とされた今回の選挙は、投票前から接戦が予想され、地上波3社(KBS、MBC、SBS)の出口調査でも予想獲得票率が小差となった選挙区が多く、どの党が第1党になるかは予断を許さなかった。
セヌリ党は、前回総選挙でほぼ席巻したソウル、仁川、京畿道など首都圏では苦戦したが、江原道と忠清南・北道で躍進した。伝統的な支持基盤のひとつである釜山・慶尚南道では、12月の大統領選挙の民主統合党有力候補の「文在寅の風」を防ぐのに成功した。
民主統合党は、「政権審判論」を土台に左派の統合民主党と選挙協力して院内過半数を握ることで「与小野大」状況をつくり、対政府・与党攻勢で年末の大統領選挙での「政権奪回」に弾みをつけたいとしていた。一時は「野党圧勝」との予想もあったが、ソウルと京畿道など首都圏で躍進したものの第1党には届かなかった。
統合進歩党は、目標としていた院内交渉団体構成に必要な20議席の獲得には失敗したが13議席となり、自由先進党に代わって第3党になった。
首都圏(全112議席。ソウル=48、仁川=12、京幾道=52)では、民主統合党が65議席、統合進歩党が4議席をそれぞれ獲得、野党選挙協力の威力を示した。前回81議席を獲得したセヌリ党は43議席とほぼ半減、ソウルでは16議席にとどまった。
保守野党で大田と忠清南・北道を地盤に院内交渉団体構成をめざしていた自由先進党は、前回の18から5議席となり、沈大平代表も落選した。
今回の選挙では、与野党の重鎮の落選が相次いだ。国会議員の交代率は地域区基準で約62%。セヌリ党では6選を目指した洪思徳候補や洪準杓前党代表、権寧世党事務総長らが落選。民主統合党では前回の大統領選挙に出馬した鄭東泳候補や千正培元法務部長官が議席を確保できなかった。
今回誕生した地域区女性議員は19人で歴代最多となった。16代は6人、17代10人、18代14人と増加勢にある。政党別には民主統合党が13人で最も多く、セヌリ党が4人、統合進歩党が2人。
投票率54・3%
政党別得票率はセヌリ党が42・8%で1位を占め、民主統合党36・5%、統合進歩党10・3%、自由先進党3・2%の順だった。各党の比例代表獲得議席は、セヌリ党25、民主統合党21、統合進歩党6、自由先進党2に。
投票率は54・3%で歴代総選挙で最低だった前回の46・1%より8・2ポイント高かった。
前回選挙(定数299。地域区245・比例代表54)での獲得総議席は与党ハンナラ党(現セヌリ党)153(比例22)、民主党(民主統合党の前身)81(比例15)、自由先進党18(比例4)、親朴連帯14(比例8)、民主労働党5(比例3)、創造韓国党3(比例2)、無所属25だった。
(2012.4.12 民団新聞)