【茨城】在日同胞大学生ワークショップが11日から13日まで茨城県潮来で開かれ、90人がディスカッションなどを通して連帯意識を深めた。母国研修に参加したことがある学生は「これまでの行事とは違い、在日韓国人として強く目覚めるいい機会になった」と目を輝かしていた。
悩んでも在日らしく
本音語り合った3日間
ワークショップには、韓国に留学している在日の母国修学生3人をはじめ、韓国からの留学生4人、この企画に興味をもったという韓国の大学生も7人参加した。留学生の一人は、「在日の同世代の生の声を聞くことができた」と話し、在日と本国の絆を深める場にもなった。
次世代育成事業を運動の大きな柱に掲げる民団中央本部が主催、在日韓国学生会が主管、在外同胞財団が後援した初のワークショップ。スローガンは「繋がろう!考えをもって熱くなれ!」。同世代がともに考え、連帯することに主眼を置いた。
初日に、呉公太団長が来年創立70年を迎える民団を中心にした「在日の歴史」や1、2世の苦労話、地方参政権など民団が現在抱えている課題を語った。「みなさんが在日同胞社会の後継者だ。多くを学んで吸収し、若い世代のネットワークを広げよう」と強調した。 2日目は権清志企画調整室長がパネルディスカッションを通じて国籍や、ヘイトスピーチをテーマに進行した。「韓国籍を維持するのは大事だが、帰化をする同胞がいる現実がある。民族意識を維持するのに韓国籍が必ずしも必要か」とあえて問題提起した。
また、ヘイトスピーチの映像を流した後、「ヘイトスピーチは暴力だ。暴力から守る盾がわれわれには必要だ。みんなの議論を通じて、ヘイト根絶のための知恵と力の結集を」と呼びかけた。
8班に分かれたグループディスカッションでは、結婚問題や在日のアイデンティティなどについて忌憚なく語りあった。「国籍が違うことでいじめにあったり、悩んだ時期があったが…やはり在日として生きたい」との思いも吐き出された。
このほか、弁護士やインテリアデザインなど、各界で働く同胞の先輩6人を招いて体験談を聞くグループワークの時間も、就職活動を念頭に置く大学生には刺激になったようだ。学生会の朴在文会長は「学生たちのそれぞれの思いを共有し、悩みなど共通項を吸い上げ、今後の活動に活かしていきたい」と話す。
(2015.9.16 民団新聞)