絵本は国籍や民族の違い、言葉の壁を超えて、人びとの心に容易に届く。隣国を理解するのにはぴったりのツールといえるだろう。
東京・新宿の高麗博物館で「絵本で知ろう!おとなりの国〜韓国・朝鮮の絵本から」という企画展が開かれている。ハングル書籍が40冊余り、日本語に翻訳された絵本も60冊を超す。在日作家の作品も含め、合わせて100冊余り。いずれも「多文化共生」という同館の設立趣旨に沿って選んである。子どもたちには読み聞かせも行う。
また、分野別18枚のパネル解説は、韓国の絵本の世界を体系的に理解するために役立ちそうだ。主なものは「動物が登場する昔話」、「詩や歌から生まれた絵本」、「子どもの暮らし(衣食住)の絵本」、「動物が登場する昔話」など。
特に、日本の昔話と似ているテーマがいくつもあるという指摘や、韓国でも人気のある日本の絵本も一緒に展示したことで、子どもたちの韓国への親しみを引き出すことだろう
今回の企画展を中心となって準備したのは加賀谷浩子さん(同博物館理事)。中学校で社会科の教員だった40年前、初訪韓でたまたま韓国の絵本に接して以来のファンだ。より深く韓国の絵本を理解したいと、56歳から韓国語の勉強も始めたほど。加賀谷さんは、「絵本でお隣りの国をよりよく知るきっかけになれば」と期待をかけている。1月26日まで(12〜17時。月・火曜日休館)。
大竹聖美さんが23日に特別講演
23日は韓国の絵本を日本語で翻訳出版している大竹聖美さんが、「韓国絵本の魅力」と題して14時から展示室で講演。入館料込みで1000円。同館(TEL/FAX03・5272・3510)。
(2013.11.20 民団新聞)