掲載日 : [2010-10-27] 照会数 : 5534
共生の韓日新時代へ 複合ネットワーク構築を
[ 22日にソウルの外交通商部で共同会見する韓日双方の委員長(韓国側=右)
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有識者会議 「望ましい未来像」提示
韓日両国の有識者が「国際社会に共に貢献する韓日関係」をテーマに議論してきた「韓日新時代共同研究プロジェクト」(韓国側委員長=河英善ソウル大学教授、日本側委員長=小此木政夫慶応大学教授)の最終報告書「『韓日新時代』のための提言」が、22日に発表された。報告書は「韓日新時代とは、両国が緊密な協力を通じて共生のための複合ネットワークを構築していく時代だ」と提示している。
双方首脳に「共同宣言」促す
報告書は、「両国は韓国併合条約100年という歴史的節目の年を迎え、韓半島と日本に住む2億人の新たな100年を視野に入れた未来を共同設計するために、過去100年を深く省察する必要がある」と表明。「20世紀の初期に、日本は武力を背景にして韓国の人々の反対を抑えて、韓国併合を断行した」と指摘、「このような歴史の事実を直視し、決して忘れることなく記憶に留めながら、ともに新しい未来を開拓することこそ、これからの両国が進むべき道だ」と強調した。
さらに「今日、両国は、非欧米地域で政治的民主主義と先進市場経済、多元的社会文化制度を成功裏に発展、定着させた代表的な国家として評価されている。韓日関係は植民・被植民関係という不幸な歴史を経験したが、緊密な政治経済協力を通じ対等なパートナーに発展した世界史的にも稀な2国関係だ」と指摘した。
韓日両国の政府、地方自治体、教育機関、企業、非政府組織(NGO)など多様なアクターが政治、安保、経済、文化、情報知識、科学技術、環境生態などすべての領域において緊密な協調と協力のネットワークを構築し、両国はもちろん、東アジアおよび世界の平和と繁栄を図ることが、「韓日関係の未来像」だと強調している。
さらに、「北韓問題の解決は、韓日両国にとって極めて重要な課題だ」とし、「両国は、核開発や拉致などの核心的な問題を含む北韓問題の解決のために緊密に協力するだけでなく、さらに一歩進んで東アジアの新たな国際秩序形成に北韓を参加させるため積極的に努力すべきだ」としている。
報告書は、「韓日両首脳が早い時期に会談し、不幸な過去を直視しつつ、新時代における韓日関係の発展の方向を包括的に提示する『韓日新時代共同宣言』を採択することが望ましい」と表明、「共同宣言に本報告書の提言が最大限反映される」ことを希望した。
プロジェクトは、2008年4月の韓日首脳会談での合意を受けて09年2月に発足。両国の学者・研究者26人が「現在およびこれからの韓日関係」「国際政治」「国際経済」の3つの分科委員会を構成、約1年半共同研究を行った。
(2010.10.27 民団新聞)