掲載日 : [2022-08-31] 照会数 : 2057
浮島丸犠牲者を追悼…事故から77年 原因解明未だに
[ 舞鶴の海に献花する民団関係者と地元住民ら ]
【京都】第2次大戦中、青森県内で働いていた朝鮮人労働者とその家族など数千人を乗せた海軍輸送艦「浮島丸」が入港先の舞鶴港で謎の爆沈を遂げてから24日で77年。犠牲者を追悼する集会が舞鶴市下佐波賀の浮島丸殉難者追悼公園で営まれた。
浮島丸は解放直後の1945年8月22日夜、釜山港をめざして青森県大湊港を出港。24日午後5時過ぎに舞鶴港に入港した直後に突然の大爆発によって船体が真っ二つに破壊された。舞鶴港に入港した理由や爆発の原因は不明のまま。
日本政府の発表によれば、乗船者3735人のうち女性や乳幼児を含む524人が死亡したとされる。ただし、乗船者名簿が公開されていないため、乗船者、犠牲者とも正確な数はいまだに解明されていない。
主催団体「浮島丸殉難者を追悼する会」の品田茂会長は追悼の辞で「日本および日本人の責任として事実を明らかにして、未解決の問題を解決していく歴史的な責任が私たちに課かせられているはず」と述べた。
同じく地元民団舞鶴支部の金英玉支団長も「日本国にはもっと誠実な対応を求めます。韓日両国が歩みよって早期の解決を望みます」と訴えた。
日本政府からは加藤勝信厚労相の名前で「平和への決意を新たにする」というメッセージが寄せられた。
集会は過去2年、規模を縮小して開催されてきたが、今年は人数制限を設けなかった。大阪大韓民国総領事館の趙成烈総領事、民団京都本部から金政弘団長をはじめとする3機関長、副団長、支団長ら32人、京都国際学園からも関係者5人が参列した。