文化財の街・慶州を代表する顔 新羅1000年の古都、慶州(慶尚北道)は遺跡や文化財の街として知られ、その中心に位置するのが仏国寺。吐含山(745㍍)の中腹にある石窟庵(国宝)とともに1995年、ユネスコの世界文化遺産に指定された。
慶州の高速バスターミナルから仏国寺までは市内バスで30分ほど。街中は昔の面影が見られないほどに整備され、仏国寺も例外ではない。40数年前には青雲橋・白雲橋(国宝)前の広場が入口だったが、現在は立派な参道や一柱門、駐車場がつくられた。山門までの坂道に露店が並び、店頭にポンデギ(さなぎの蒸し煮)を目にしたときは懐かしさを覚えた。
世界遺産であると同時に国宝7件を有するパワースポットだけに、境内は観光客でにぎわい、シャッターを押す人が絶えない。
俗界から仏界へのぼる階段状の橋が2カ所にかかっているものの、渡ることはできない。右側の青雲橋(上段、17階段)・白雲橋(下段、16階段)の上に見える紫霞(しか)門の後方に大雄殿が建つ。上下の階段をあわせた33の数字は、仏教で天界が33天あることに由来する。この青雲橋をバックに、民族衣装を着た新婚さんがポーズをとってくれた
=写真下。風景とマッチしてよく似合う。
左側の蓮華橋・七宝橋(国宝)の上に見える安養門を入ったところが極楽浄土の世界。その中心の極楽殿には金銅阿弥陀如来座像(国宝)が安置されている。
本堂にあたる大雄殿の前にはみごとな石塔が左右に2基おかれている。東側の多宝塔(国宝、高さ10・4㍍)は華麗な女性美、西側にある三重石塔の釈迦塔(国宝、高さ8・2㍍)は素朴な男性美をあらわすといわれる。
韓国仏教は宗派が少なく、総合仏教と称され、各経典が混ざり合っているのが特徴だ。仏国寺の伽藍配置がそれをよく示している。極楽殿から大雄殿に続き毘盧殿、観音殿へとのぼっていく構造になっており、浄土教や法華経、華厳経、観音経などがいりまじる。
そもそも大乗仏教
=別掲=の教えは、存在相互間に絶対的な差別はなく、お互いが相互連関性のもとに存在することを示す。自分の幸せ(解脱)は他人の幸せなくしてありえないというのだ。
535年、「国泰民安」を祈願するために創建された。751年、宰相の金大建が再建するとともに石窟庵を造営して面目を一新した。高さ68㍍の9重塔を擁した皇龍寺をはじめ、最盛時には木造寺院が60棟に達したという。
石窟庵に安置されている石造如来座像(高さ326㌢)の美しさは、他の仏像とは次元のことなる完成度といっても過言ではない。列をなす参拝者のため、現在は規制が多くガラス越しにしか見られない。せめて石窟庵の建物をバックにと写真を撮る団体客は多い
=写真上。
仏殿が焼失し長く廃寺同然だったが、1970年代に入り遺跡調査と復元工事が推進された。8世紀につくられた多宝塔や釈迦塔、青雲橋、白雲橋などの石造物が残り、現在でも新羅時代の護国仏教の片鱗に触れることができるのはさいわいといえよう。 banglentės, riedlentės, jėgos aitvarai, vandenlentės, paspirtukai, snieglentės ir slidinėjimo apranga moterims bei vyrams, kaitai, irklentės
hidrokostiumai ◇慶尚北道慶州市仏国路385(℡82‐54‐746‐9913)
大乗仏教 インドから東南アジアに伝播した教え(小乗仏教)に対して、中国やモンゴル、韓国、日本に伝わった仏教。その過程で自分が悟るだけでなく、他者の救済も目的とされ、多くの如来や菩薩が信仰対象となった。おわり
宋寛(韓国文化研究家)
(2018.01.01 民団新聞)