復活「ウリ法律事務所」…金敬得弁護士の遺志継承

在日諸権利の擁護めざす
　故金敬得弁護士が在日の諸権利の擁護をめざして85年、東京・四谷3丁目に開業した「ウリ法律事務所」の看板が1日、中央区銀座で復活した。

　遺志を継いだのは張界満弁護士（54、民団東京・新宿支部議長）。張弁護士は京都で司法修習を終えると、00年にウリ法律事務所に就職した。金弁護士は外国籍者として初めて日本で弁護士資格を取った先駆者。張弁護士が中学生当時から憧れていた目標だった。金弁護士のもとで修業できるチャンスとばかりすでに内定していた弁護士事務所を断って上京した。

　しかし、金弁護士から指導を受けられたのはわずかな期間でしかなかった。金弁護士は張弁護士の入所後、まもなく入院。05年12月に死去した。事務所の名称も金弁護士の入院中、日本と韓国をつなぐ「J＆K法律事務所」に変わった。

　張弁護士は独立するにあたり、あらためて在日のための法律事務所をめざしたという。それはウリ法律事務所の復活にほかならないと次のように語った。

　「弁護士としてどれだけ在日社会に貢献できているのか。日韓の戦後補償を含めた人権問題にどれだけかかわれたのか。身近な人を助けるところから始めようと、22年前に金敬得先生が話してくれた夢を実現できたらいい。お金もうけは大切だが、奉仕するほうが性分にあっている」

　「ウリ法律事務所」の住所は東京都中央区銀座7‐9‐10　銀七ビル3階。03・4400・5797。