掲載日 : [2022-10-19] 照会数 : 3750
次世代育成新企画「ライジング・スター・セミナー」…全国同胞学生が一堂に
[ 野外活動で汗を流すセミナー参加の学生たち ] [ 激励に駆け付けた金采映駐在官 ]
「ライジング・スター・セミナー」開催
在日同胞大学生を対象とした「ライジング・スター・セミナー」が8日から3日間、都内のホテルなどで開催された。民団中央本部による次世代育成事業の一環。在日本大韓民国学生会(閔秀智会長)が夏のコリアン・スチューデント・ジャンボリー(略称KSJ)に代わる全国行事として、文教局と一体となって企画した。
「ライジング・スター」という名称には晴れて社会に旅立つ「新星」たちに対する文教局としての期待と激励の思いが込められている。同胞学生たちの出会いと連帯、そしてアイデンティティーについて語る場を広げようと募集の段階から留学生、母国修学生も対象に加え、これまで以上のパワーアップを図った。徐順子文教局長は「広く、浅く、みんなを受け入れる学生会になってほしい」とその意図を語った。
学生会本部を置く大阪、愛知はもとより宮城、秋田、郡馬、兵庫、京都、福岡、大分、鹿児島など全国から60人余りが参加。コロナ禍としてはかつてない規模となった。
開会式で民団中央本部の鄭夢周副団長は、同胞学生が一堂に会することの重要性を強調した。学生会の閔会長も「たくさん仲間をつくってください」と呼びかけた。
セミナー初日の開会式には在外同胞財団から金采映駐在官が参席。「在日同胞社会で次世代リーダーの育成はなによりも大事な事業」と期待の言葉を述べた。さらに「韓国政府は皆さん一人ひとりを大切な国家資産としてとらえている。同胞社会の発展のために何ができるのか、今回のセミナーで探してみてください」と激励した。
初日は在日韓人歴史資料館の李成市館長(早稲田大学文学学術院教授)が「世界史の中の韓国史・韓国文化」と題して講演。2日目は「在日史」について勉強し、午後は野外運動会で汗を流した。最終日は韓行伸氏(ウィズ・コミュニケーション代表取締役)による就活セミナーに臨んだ。
参加者は6班構成で3日間共にし、自由時間には零時近くになるまで自らのルーツについて語り合った。特に、在日とは文化的背景を異にする韓国人留学生の存在が刺激になったようだ。参加者からのアンケートを見てみた。
九州の参加者は「みんなでルーツに対する意見を交換できて楽しかった。また、韓国人留学生の考え方を知ることができて視野が広がった」と記した。一方、留学生も「在日」との交流はいい経験になったと次のように回答した。「『在日』ってなんか難しく思ってました。実際会って話すことで、互いの理解を深められた」
また、学生会のイベントは2回目という参加者は「在日も留学生も仲良くできて、一体感を感じた」という。別の学生は「同胞の大切さや居心地の良さを感じることができた」と喜んでいた。
講義内容も好評だった。李成市館長からは「大学では学べない内容を知ることができた」という。特に就活セミナーについては「すごくためになりました」「今と昔では違うけれどしっかりとアイデンティティーをもって行動したい」という声もあった。