掲載日 : [2022-10-18] 照会数 : 3244
韓国宮中の餅菓を東京で…100人が伝統の味を楽しむ
[ 提供された宮中餅菓と薬茶 ] [ 宮中餅菓の説明を受ける試食会の参加者 ]
韓国文化院主催
韓国文化院(東京・新宿区)は、韓国文化財財団と共同で、「韓国文化院×宮中餅菓『古好斎』‐韓国宮中のお菓子を東京で味わう」を12、13の2日間、同院サランバンで開催した。同院が宮中餅菓にスポットを当てたイベントを開催したのは初めて。2日間(1日5回、各回10人参加)の募集人数は100人だったが、1週間の募集期間で約300件の応募があり、日本では触れる機会の少ない宮中餅菓への関心の高さを示した。
同イベントは、「文化遺産訪問キャンペーン」の一環として韓国宮中餅菓を広く紹介するために実施された。
宮中餅菓と薬茶を提供したのは、1957年に韓国を訪問する外賓のための迎賓館として建てられた「韓国の家」古好斎(ソウル市)だ。
現在は韓国の伝統文化と朝鮮時代の宮中料理を基本とする韓定食、伝統芸術公演や伝統婚礼などを体験できる複合文化施設になる。古好斎は「古いものが好きな人たちの家」の意。
今回は、「韓国の家」で作った古好斎の餅菓、伝統茶をはじめ、器、一人膳(サン)などを韓国から持ち込んだ。
餅菓は全6種。ケソンジュアクは、もち米粉にマッコリを入れて練り込み、丸く成形して油で揚げたもの。開城地方でよく食べられていた餅だ。
煎菓は、イチゴ煎菓、キンカン煎菓、五味子ナシ煎菓の3種。煎菓は、本来は蜂蜜に漬けるものだが、今は水あめや砂糖を使うこともある。
このほか、栗卵(栗菓子)は、茹でた栗をつぶし、シナモンパウダーと蜂蜜を入れて練り混ぜ、栗の形に成形した韓菓、青太茶食(青豆のらくがん)は、炒った青豆の粉を蜂蜜で練り混ぜた後、型抜きした韓菓だ。伝統茶は五味子茶と宮中花茶が用意された。
サランバンで行われた試食では、参加者は餅菓の一品一品を味わうように食した。お互いに写真を撮り合っていたのは、神奈川在住の日本人の姉妹だ。
妹(25)に誘われて参加したという姉(29)は、10年前に韓国の仁寺洞で飲んだ五味子茶の味が忘れないという。「五味子茶を飲んだとき、本当に五つの味がした。五感を刺激されたのは初めて」と話した。
妹は、中学生のときにK‐POPにハマり、韓国語を独学で勉強。大学の第二外国語で韓国語を選択。同院の韓国語講座を受講し、韓国舞踊も習っている。現在、大学院生だが「韓国と関わっていきたい」と熱く語った。
会期中、同院ハヌル庭園に「韓国の家‐古好斎」体験フォトゾーンが設置され、参加者たちでにぎわった。
幅広い年齢層が関心
同イベントへの申し込みは、70代から80代の夫婦をはじめ、20代と50代の親子、韓日の友だち同士など年齢もさまざまだったという。遠方では北海道からの参加者もいた。
同院、食文化担当の李睦美さんは「ここまで幅広い年齢層が集まったイベントは文化院でも珍しい」という。
「韓国に行けなかったこの時期に、こういうイベントをしていただいて嬉しい」「K‐POPも好きだが、韓国の伝統文化にも関心がある」という若い人たちの声もある。
李さんは「日本の方たちが常に関心を持って、あっという間に応募数が上がっていくのを見ると嬉しいし、ありがたいことです」と語った。