掲載日 : [2022-11-09] 照会数 : 3414
NHK広島原爆ツイート問題検証 在日韓国人 法曹フォーラム
広島弁護士会人権救済申し立てから2年
【広島】在日韓国人法曹フォーラム(殷勇基会長)は2日、NHK広島放送局の原爆ツィート問題を検証する「パネルディスカッション」を広島市内のホテルで開催した。後援団体の民団中央本部人権擁護委員会から李根茁委員長と薛幸夫副委員長、民団広島本部から金基成団長ら関係者が出席した(写真)。
このツイッター投稿は、「もし75年前にSNS(会員制交流サイト)があったら」というコンセプトを掲げ、実在の被爆者の日記をもとにNHK広島放送局が投稿内容を作成した企画「1945ひろしま@タイムライン」。2020年3月からツイッター上で実施してきた。
1945年6月16日の投稿は実際の日記には記述のない「朝鮮人の奴ら」。同8月20日には「戦勝国民だ」などと言って日本人に対して暴行を加えるといったことさら朝鮮人の不当性を際立たせるヘイトスピーチにつながりかねない叙述を行っていた。
広島弁護士会の崔順伊弁護士は「各投稿には朝鮮人たちが日本に居住していた歴史的背景が侵略と植民地支配であったことに言及がなく、正確な歴史的視点を欠く、民族差別を助長するもの」と指摘していた。
これを受けて民団中央本部人権擁護委員会と民団広島本部、在日韓国人法曹フォーラムは20年10月1日、3者で広島県弁護士会に人権救済申立書を提出。県弁護士会は「NHK広島放送局に悪意はなかった」として最も厳しい「観告」そのものは見送った。ただし、「ヘイトのツイッターを誘発する可能性があった」ため「苦心の策」として「要望」にした。
批判されたNHK広島放送局は「配慮が不十分だった」としてツイッター上で関係者に謝罪、「1945ひろしま@タイムライン」も20年末に終了した。ただし、投稿そのものは削除せずホームページに「移設」したまま。
席上、殷会長は「NHK広島放送局はやったことも問題だが、事後処理が問われる」と述べた。法曹フォーラムの趙學植弁護士からも「NHKからはいまだに回答が返ってこない。このままうやむやにしておいていのか。けじめの問題だ」といった厳しい声が上がった。民団広島本部の金団長からはNHK内部の法務部に意見書を持っていくのはどうかという意見もあった。