掲載日 : [2022-12-07] 照会数 : 2498
「同進会」李鶴来会長を偲ぶ
[ 李鶴来会長の遺志を継ぐと決意を新たにする「同進会を応援する会」の内海愛子代表 ]
韓国人元BC級戦犯
名誉回復と補償
求め運動継続へ
いわれなき戦犯の汚名を着せられたまま刑死した仲間の無念を晴らすために生涯をかけた韓国人元BC級戦犯、李鶴来さん(96、「同進会」会長)をしのぶ会が11月25日、東京・港区の韓国中央会館で営まれた。主催した韓国・朝鮮人元BC級戦犯者「同進会」、「同進会を応援する会」は李さんの遺志を継ぎ、名誉回復と補償を求める運動を継続していくことを遺影に誓った。
救済法案成立悲願に
「同進会を応援する会」の内海愛子代表(恵泉女学園大学名誉教授)が「都合の良い時は日本人、都合の悪いときは朝鮮人。60年以上にわたって戦犯の汚名を着せられた同胞たちの名誉回復と補償を求めて闘ってきたが、不条理は解消されなかった。その李さんの思いを胸に名誉回復と補償を求める運動をこれからも継続していく」と決意を新たにしていた。
李さんに代わり会長職を引き継いだ朴來洪さんは「今後とも一歩一歩階段を上っていきたい」と強調した。
呂健二民団中央本部団長(鄭夢周副団長代読)は「李鶴来先輩になんと申し上げればいいのか、言葉が見つからない」と時折り声を詰まらせながら無念の思いを述べた
第2次世界大戦後の戦犯裁判でBC級戦犯として裁かれ、日本政府に救済と名誉回復を求めていた在日韓国人の李鶴来さんは、戦時中、日本軍軍属として捕虜収容所の監視員を務めた。戦後、連合国の軍事裁判で「日本人戦犯」として死刑判決を受け、減刑後に仮釈放された。
日本人の元戦犯に実施された恩給などの援護制度は日本国籍を失ったことを理由に対象外だった。生涯不条理を問い続けた李さんは日本政府を相手取って1991年に提訴。99年に敗訴したが、最高裁判決で立法による解決を促された。
国会では08年に救済法案が提出されたがいまだ成立に至っていない。
(2022.12.07民団新聞)