今年も残すところあとわずかとなった。民団は高齢者や1人暮らしの団員を対象に同胞の温もりを届けようと、毎年、各地で歳末相互扶助活動を展開している。このなかから岡山、東京、愛知の取り組みを見た。
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ハンセン病療養所慰問
民団岡山
民団岡山本部(宋燦錫団長)は15日、瀬戸内市長島にある国立ハンセン病療養所を訪問し、同胞入所者と交流した。同本部の長島訪問は毎年欠かさず続いている。今年は民団中央本部から林三鎬副団長、駐神戸総領事館からは李成権総領事が同行した。
林副団長が民団中央本部からの慰問金を伝達。李総領事からは高麗人参茶が贈られた。アトラクションでは郭京坤さん(岡山南分団員)と林春子さん(岡山北分団員)が韓国民謡やトロットで自慢ののどを披露し、永姫韓国伝統舞踊団がサルプリ、五面太鼓、サムルノリなどを公演した。会場ではリズムに乗って踊り出す同胞の姿が見られた。
長島には愛生園と光明園の2つの療養所があり、同胞は合わせて35人ほど。平均年齢は84〜85歳と高齢化している。同胞互助会を代表して愛生園の金泰九会長、光明園からは許慶順代表がそれぞれ、「今年も民団のみなさまとお会いできてとても感激している」とあいさつした。
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大使館と合同21支部を一巡
民団東京
民団東京本部(金龍濤団長)と駐日韓国大使館の関係者は3日、東京の目黒支部(鄭良洙支団長)と足立支部(宋洙一支団長)の高齢団員を歳末慰問した。合同で毎年、2支部ずつを巡回している。今回の目黒で管内21支部すべてを一巡したことになる。
目黒支部では李鍾元さん(91、同支部常任顧問)をはじめとする高齢の4人に大使館から電気毛布、民団東京本部からは電気ポットが贈られた。4人は金辰植総領事と金龍濤団長を囲み、健康談議に花を咲かせていた。
この後、全21支部巡回の新たなスタートとなった足立支部でも成根容さん(85)ら3人に同様のプレゼントが贈られた。宋支団長は「温かい真心を持ち帰ってください」と述べた。
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被災地支援へ宮城から新米
民団愛知
民団愛知本部(鄭博団長)は歳末相互扶助活動として、寝たきり介護や生活困窮の世帯に新米5㌔と金一封を届けた。今年は78世帯が対象となった。
米は宮城県から「ひとめぼれ」を取り寄せた。これは、少しでも被災地への支援につなげようという鄭団長のアイデアだ。各支部を通じて伝達した。
(2012.12.21 民団新聞)