第75周年光復節記念式典は東京以外にも各地で開催された。新型コロナウイルス感染症対策のため出席を役員など関係者だけに限定するなど防疫対策を徹底し、式典そのものも簡略化した。神奈川と愛知は会場に足を運べない一般団員のためにYouTubeでライブ配信した。一部では延期していた3・1記念式典も同時開催した本部も見られた。
ライブ配信や3.1節式典同時開催
神奈川(李順載団長、15日=同本部)
主催団体と関連機関長のみで開催。一般同胞にはYouTubeでライブ配信した。ライブ配信の直前には県内の全団員家庭にコロナ感染予防の衛生用品を届けた。団員からはお礼の電話やメールが多く届いたという。
千葉(高炳佑団長、15日=同本部)
例年「海の家」で開催してきたが、新型コロナウイルス感染症対策のため千葉韓国会館での開催となった。高団長が呂健二中央団長の慶祝辞を代読、決議文の採択が行われた。駐日大使館から徐章雄領事が参席した。
山梨(李正炯団長、15日=同本部)
参加者は予定を半減して24人に。時間も短縮しての簡略開催となった。
栃木(崔龍治団長、8日=宇都宮市内のホテル)
事前の体温測定、10人用テーブルに5人だけ着席するなど、細心のコロナ感染症対策を施しての開催となった。終了後、弁当を配ったが半数はそのまま持ち帰った。駐日韓国大使館から尹永権副領事が参席した。
マスクを戸別配布
茨城(金桂一団長、10日=同本部)
式典に参加した全6支部の各支団長に全世帯分の消毒液とマスク1箱(51枚入り)をそれぞれ手渡した。各支団長はこの日から全戸家庭訪問を本格化していった。期間は今月22日ごろまでの予定。
文京順事務局長は「今年の光復節式典は一般団員の安否確認と仲間意識の高揚により、団結力を高める良い機会になった。お盆の猛暑の中、家庭訪問に汗を流している支団長の健闘を称えたい」と語った。
式典参加者は関係者20人に限定した。コロナ禍のなかの開催とはいえ、過去最低の規模だった。
埼玉(田虓玔団長、8日=同本部)
コロナ禍のなか、一般への参加呼びかけは控えたが、「この日だけは別」と主催者側の予想を上回る70人が参加した。
西東京(全實団長、7日=同本部)
全団長が光復75周年を迎えたことの今日的な意味を簡単に説明。出席者には持ち帰り用の弁当と韓国餅、記念品が手渡された。60人が参加した。
群馬(権在一団長、15日=太田市の八王子農園)
バーベキューのできるログハウスでの開催。高校生から高齢者まで幅広い世代が光復節を祝った。権団長が呂健二中央団長の慶祝辞を代読。駐日韓国大使館から張正煥駐在官が参席した。延期していた3・1式典もこの日に行った。
静岡(李宜弘団長、8日=同本部)
式典は役員10人のみで開催。一般同胞家庭には文在寅大統領と呂健二中央団長の慶祝辞、川勝平太県知事からの祝賀メッセージなどを収録した記念冊子をつくり、暑中見舞の韓国食品を添えて発送した。
長野(金龍洙団長、11日=同本部)
金団長が呂健二中央団長の記念辞を代読。駐新潟総領事館からは鄭美愛総領事が記念辞を述べた。県日韓協から萩原清会長が参席。
新潟(鄭和仁団長、15日=同本部)
会場の仕切りを取り外した広い会場で参加者全員が前を向いて着席。午前中に延期していた3・1節式典、午後からは光復節式典を簡略化して行った。式典後、参加者全員で医療従事者への感謝の思いを込めた「トップネチャレンジ」を行った。
記念品に韓国食品
宮城(金政郁団長、15日=仙台市内の結婚式場)
200~300人収容の会場に60人が参加。私語もなく粛々と進行した。姜恵美子事務局長は「コロナ事態で3月以来会えなかった団員と席を共にし、静かに歴史を振り返ることができた。感動で涙が出た」と語った。参席者には記念の韓国食品と消毒液、マスクなどが贈られた。この日、3・1記念式典も同時開催された。
青森(李採圭団長、15日=青森市内のホテル)
例年、野外でオリニの運動会も兼ねてきたが、新型コロナウイルスの感染予防のため屋内での開催となった。55人が参加。式典後、抽選会も行われた。
岩手(申百澈団長、7日=同本部)
コロナ禍のなかの7月、団員の安否確認を兼ねて県内110世帯を家庭訪問し、消毒用アルコールを配布したことが報告された。式典には駐仙台総領事館から朴容民総領事が参席。午前中には3・1記念式典も行った。
山形(朱帝圭団長、15日=鈴川ふれあい館)
30人以上の参加者が足を運んだが、会場の都合で25人だけが入場した。
福島(孫哲鎬団長、5日=同本部)
役員12人だけで開催した。金団長からは「コロナのなか、引き続きできることからやっていこう」との呼びかけがあった。
愛知(朴茂安団長、15日=同本部)
関係者のみでの開催。会場に来られなかった一般家庭にはYouTubeでライブ配信した。姜裕正副団長は「個人的にはたくさんの人に集まってもらい、一緒に解放の喜びをともにしたかった」と語った。
岐阜(董勝正団長、15日=岐阜市内のホテル)
董団長は「韓日関係が落ち込んでいるが、民団は民間交流を大事にし、小さくても行事を開きながら地域住民と仲良くしていこう」と呼びかけた。式典後、岐阜民団サポートセンター嘱託の小川健也さん(小川法律事務所代表)が相続問題について講演した。
三重(殷慶基団長、15日=同本部)
来賓の議員関係者は呼ばず、限られた民団関係者だけで厳粛に式典を行った。殷団長は「新型コロナに見舞われて大変な時期だが、民団としてできることはやっていく」と力強く宣言した。
中学生らが文化公演
兵庫(李圭燮団長、15日=ピフレホール)
民団関係者、出演者など190人が参加。李団長はあいさつで、新型コロナウイルスやこの間のヘイトスピーチなどに言及した。
2部の文化公演は、氷丘中学校(加古川市)国際交流部の中学生と卒業生との合同チーム「HIOKAチャンゴ」によるサムルノリ演奏とプンムル、宝塚オリニ土曜学校の子どもたちによるK‐POPダンス、神戸オリニ土曜学校の子どもたちによるテコンド、神戸韓国学園舞踊班による扇の舞などを披露した。
3部は豪華賞品の当たる抽選会とあって、会場は大いに盛り上がった。当選しなかった参加者全員にお土産を贈呈。団員、出演者の保護者は終始、楽しんだ。
京都(金政弘団長、16日=都ホテル京都八条)
金団長は「今後、数年間コロナと付き合いながらの対応が続く」と指摘し、「社会生活が止まることで孤立する人たちがいる。光復節を機に皆で知恵を絞って京都本部は再始動し、感染対策を講じて、民団事業に参加していただける体制作りをしていく」と力強く語った。
この日は消毒や検温をはじめ、演壇の上にアクリルボードを設置、飛沫感染を避けるために万歳三唱を取りやめるなど防疫対策を徹底した。式典には県本部、支部の役員、日韓親善協会関係者など63人が参加した。
奈良(李勲団長、15日=同本部)
県本部役員、来賓の40人が参加。李団長は、9月20日に奈良平城京朱雀門広場で、駐大阪大韓民国総領事館、奈良県日韓親善協会などの共催による「2020歴史の道・韓日文化ハーモニーin奈良」の開催が、新型コロナウイルス感染拡大により中止になったことを報告した。
式典後、朴永炅大阪経済法科大学教授が「未来志向の民族文化」をテーマに講演会を行った。
和歌山(孫文敏団長、15日=同本部) 3・1節記念式典と同時開催。県本部役員、来賓ら16人が参加。孫団長は「コロナウイルス感染で、今年は縮小して行う。辛い時期だがみなで頑張ろう」とエールを送った。
式典の後、婦人会和歌山本部から韓国人留学生3人に、キムチやのりなど、1人1万円相当の韓国食品を手渡した。留学生たちは「考えていないものをもらって感動した」と喜んでいた。
中1が韓国語スピーチ
広島(李英俊団長、15日=広島韓国会館)
1部式典後、「土曜オリニ学校」に通う李承圭君(中1)が韓国語スピーチを披露。オリニジャンボリーを通じて韓国への関心を深め、誇りをもって生きようと決意するに至った心境を明らかにした。また、広島韓国学園韓国語講座上級に通う中野勝さんは憲法9条をテーマに戦争放棄・平和主義を貫くことの大切さを語った。
2部では広島韓国奨学会からの奨学金が5人に贈られ、奨学会に寄付金を寄せてくれた関係者に感謝状を手渡した。
鳥取(黄龍也団長、8日=同本部)
黄団長が呂健二中央団長の慶祝辞を代読。金允基氏が決議文を読み上げた。民団中央からは徐元喆事務総長が参席し、薛幸夫同本部常任顧問とともに光復の意味と意義を語った。
岡山(金成植団長、15日=同本部)
来賓を呼ばず県本部役員と顧問、支団長ら17人に限定。金団長は出席者の健康を気遣い、何かあったら民団に相談してほしいと呼びかけた。
山口(林源玉団長、9日=下関市内のシーモールパレス)
3・1節記念式典と同時開催。光復節式典では林団長が呂健二中央団長の慶祝辞を代読した。
福岡支部(権源宅支団長、15日=同支部)
3機関、同支部役員らが参加。権支団長は「今回、75周年の区切りとして盛大にしたかったが、新型コロナウイルスの拡大でできなかった。今日、来ていただいた皆様の愛国心に敬意を表します」とあいさつした。
長崎(姜成春団長、14日=諫早市のホテルセンリュウ)
県本部役員、団員、留学生、新規定住者、福岡総領事館の41人が参加。姜団長は「コロナで大変だが気をつけて下さい」と参加者に呼びかけた。
佐賀(朴弘正団長、9日=佐賀県立生涯学習センター)
式典は2部で構成。1部の式典には県本部役員、団員25人が参加。2部の特別講演会には予約で募った一般の人を含めて25人が参加した。特別講演会は、朴団長が知っているようで意外に知らない歴史や、歴史の裏に隠された事実などを知ってほしいと実施。講演は、張韓模佐賀大学教授が行った。
大分(呉成秀団長、10日=同本部)
3・1記念式典と同時開催。民団関係者、婦人会大分本部役員、団員の20人が参加した。呉団長は、新型コロナウイルスに関連し、地域社会での民団の役割について話した。
熊本(金泰汶団長、15日=同本部)
県本部役員、婦人会熊本本部を中心に20人参加。金団長は、新型コロナウイルスや熊本豪雨災害の被害についても言及した。
今年は、食事会は中止し、サムゲタンを配った。
鹿児島(許健石団長、9日=同本部)
県本部役員、団員ら25人が参加。今年は新型コロナウイルスの影響から、参加者は会話はせずに目であいさつ。食事時の席の配置に気を配るなど防疫対策を行った。欠席した許団長の代理として、李有賢副団長があいさつした。
歴史講演会と室内楽演奏
香川(韓大圭団長、2日=ルポール讃岐)
今年は来賓を呼ばず、県本部役員、団員が参加。韓団長は新型コロナウイルスに触れ「過ぎていかないものはない。今は我慢して希望を持って乗り越えようと」と力強く語った。式典の後、歴史講演会と、四国室内楽協会の4人が、韓国ドラマのOSTなどを披露した。
愛媛(朴鐘東団長、1日=同本部)
今年は県本部役員のみ10人が参加した。朴団長は新型コロナウイルスに関連し「同胞の安全と健康を祈ります」とあいさつした。
高知(鄭慶文団長、7月28日=同本部)
当初、開催する予定はなかったが、急きょ、開催することになった。3機関長出席の予定だったが団長は欠席。
徳島(姜盛文団長、15日=同本部)
姜団長は、KBS(韓国放送公社)で放送された、6・25韓国戦争に参戦した在日義勇軍の意義を再検証するドキュメンタリー「アボジ(父)の国…在日同胞青年たちの選択」を「見てほしい」と伝え、光復の意味などについて話した。この日は同ドキュメンタリーを鑑賞した。
新型コロナウイルスが、落ち着いたら式典の再開を予定している。
(2020.08.26 民団新聞)