掲載日 : [2010-10-20] 照会数 : 7366
焼肉・韓食広めて半世紀 農水産部長官が経営者45人に感謝状
[ 金在水農水産部次官(前列中央)と感謝状受賞者ら
]
世界化へ在日の貢献期待
農林水産食品部長官による在日韓国食堂経営者に対する感謝状授与式が15日、東京・港区の韓国中央会館で行われた。半世紀以上も焼肉店などを営みながら日本各地に韓食を広めた経営者らは、感激した面持ちで感謝状を手にした。
授与式には約60人が参加した。受賞者は、北海道から山口までの19地方本部から推薦を受けた45人の焼肉店経営者。農林部の金在水第1次官から一人ひとりに感謝状が手渡された。
韓国政府は国家ブランド向上の一環として韓食の世界化を掲げた。しかし、日本における韓食普及に同胞の焼肉店が大きな役割を果たしてきたにもかかわらず、当初、日本での韓国食堂に焼肉店を含めなかった。これに対して、民団および民団韓食ネット協議会(朴健市会長)が要望書を提出した結果、今回の授賞式が実現したもの。
民団中央本部の呉公太副団長は「韓食世界化は韓国政府の大きな事業のひとつ。皆さんは日本で半世紀にわたり焼肉文化を普及させた1等功臣だ。その焼肉が韓国に渡り、韓食として花開いた。今後とも韓食の世界化に向けてがんばってほしい」とあいさつした。
金次官は「世界の中で韓食が特に発展したのが日本地域。皆さんの長いご健闘に感謝を申し上げる。最近は韓食が健康食、栄養食として認識され、評価が高まりつつある。皆さんのさらなる協力に期待したい」と述べた。
岡山県で「焼肉ニュー亀屋」を営む金蓮洪さん(80歳)は「授賞式には無理をして出席した甲斐があった」と喜びの表情を見せながら、「始めてから57年ほどになる。当時は、荷車用馬や農作業用牛などゆでたものを、ドブロクとともに食した。内臓ホルモンは、一般の日本人は食べなかったが、闇市では高く売れたものだ」と振り返った。現在、B級グルメのホルモンうどんがすごい人気だという。
盛岡冷麺で有名な岩手県で「焼肉・冷麺 大同苑」を経営する金敏一さん(63歳)は「60年前に屋台でホルモン鍋から始まり、現在は和牛専門店を営んでいる。土台を築いたオモニが今年、87歳で亡くなったばかりなので悔しい。代わりの受賞と思っている」と感想を語った。
(2010.10.20 民団新聞)