金日成の「パレード」も
北韓の抑圧された社会でたくましく生きる庶民の姿を住民が命がけで撮影した「北朝鮮・素顔の人々」が、15日から東京・渋谷区円山町の渋谷シネマヴェーラで上映される。アジア映画社代表の朴炳陽さんが、脱北者支援関係者から預かった長時間映像をもとに企画・原案・プロデュースした。
撮影は00年の中ごろ、咸鏡南道高原、平安南道徳川周辺、平安北道のあたりで。14・5時間程度の収録を30分に編集しなおした。朴さんは、「日本や韓国でも北の体制を支援・容認する人々がいることに悲しみと危機感を感じる。北の実情を直視してほしい」と話す。
同時上映は北韓建国40周年を祝う大がかりなパレードや平壌市民による独裁者崇拝の姿を客観的に伝える「金日成のパレード」。28日までの2週間限定。
評論家の三浦小太郎さん(北朝鮮帰国者の生命と人権を守る会事務局長)は、「この2つの映像が交差するところに私たちは現代史の一つの悲劇と、その悲劇を耐え抜き未来に向かおうとする人々の息吹を感じることができる」と感想を語った。
横浜、大阪など
この後、横浜ニューテアトル(29日〜)、東京のキネカ大森(12月6日〜)、大阪シネ・ヌーヴォ(12月13〜12月30日)、新潟シネ・ウィンド(日程調整中)などで順次上映の予定。
(2014.11.5 民団新聞)