掲載日 : [2023-03-01] 照会数 : 1503
関東大震災から今年で100年 虐殺犠牲者を追悼へ
関東大震災朝鮮人・中国人虐殺から100年を迎える今年、東京に遺族を招いて犠牲者追悼大会が開催されることになった。実行委準備会には関東各地で草の根追悼運動を行っている32の団体が賛同。呼びかけ人は144人を数える。
当日のプログラム案によれば、主催者を代表して田中宏さん(愛知県立大学名誉教授)が基調講演。在日同胞の崔善恵さんによるピアノ演奏、紫金草合唱団と李政美さんが追悼の歌曲を披露する。
実行委準備会メンバーからは「民衆自身の反省、日本政府の責任を問うのがいちばん大事。謝罪と補償、被害者の名誉回復を求めていく集会にしてほしい」という声が上がっている。
追悼大会は8月31日午後6時15分から1800人が収容できる文京シビックホールで。
呉充功監督に
「正義平和賞」チ・ハクスン基金
関東大震災直後の同胞虐殺をテーマにドキュメンタリー映画を制作している呉充功監督(68)に財団法人「チ・ハクスン正義平和基金」から10日、ソウルで「第25回正義平和賞」が贈られることになった。同賞は国家の民主化と改革、人類の平和、国際平和秩序のための連帯活動の先頭に立ってきた個人や団体を授賞対象としている。
これまでに発表してきた作品は「隠された爪痕ー関東大震災と朝鮮人虐殺」(83年)、「払い下げられた朝鮮人‐関東大震災と習志野収容所」(86年)の2本。その後、30年近く映画から離れていたが、呉監督が師と仰ぐ在日史学者の故姜徳相さん(滋賀県立大学名誉教授)から「この30年間に起きた変化をもう一度、記録として残す必要があるのではないか」と勧められ、3作目の準備に取り組んできた。
呉監督は「私にはこれといった実績もなく、一度は受賞を辞退した。熱心に説得され、これは新作を早く完成させなさいという励ましなのだと思って受けとることにした」と述べた。
(2023.3.1民団新聞)