掲載日 : [2008-09-03] 照会数 : 9109
関東大震災85周年追念式 「虐殺」風化に警鐘
[ 約150人が参列した東京での第85周年追念式 ]
真相究明改めて促す
関東大震災から85周年の9月1日、東京、神奈川、千葉、埼玉など、関東地区の民団は、同大震災の混乱時に日本軍隊・警察と自警団によって虐殺された6000人以上といわれる同胞の冥福を祈る慰霊祭を今年も各地で開き、真相の究明を求めるとともに、二度とそのような悲劇を繰りかえさせないとの決意を新たにした。(5面に関連記事)
東京・南麻布の韓国中央会館で営まれた第85周年関東大震災殉難同胞追念式には、民団中央本部の鄭進団長、金廣昇議長ら幹部、婦人会中央本部の余玉善会長、民団東京本部、婦人会、青年会の幹部をはじめ約150人が参列した。
東京本部の金秀吉副団長は経過報告で「関東大震災の悲劇は、天災であると同時に人災でもあった。韓国人は虐殺にあっても国がないため抗議はもちろん、調査要求もできなかった」と指摘、「震災後85年、戦後63年の今日も、(日本政府は)犠牲者に対する補償責任を果たさぬばかりか、事実の隠蔽を図り、歴史的犯罪を消し去ろうとしている」と批判した。
加えて「われわれの生活権拡充運動や地方参政権獲得運動などは、そのような悲劇が繰り返されないよう、真の善隣友好への懸け橋をつくるものでもあることを銘心したい」と強調した。
鄭進中央団長による代表献花の後、李時香東京本部団長は追念辞で「われわれも85年という歳月により歴史的認識が希薄化している」と警鐘を鳴らし、「われわれには、二度とあのような蛮行が起きないようにすべき使命がある」と力説した。
李団長は、さらに「この地に子々孫々が安心かつ平和に暮らしていけるよう、同胞の権益擁護とあわせて居住地域における共生共栄社会の構築へ、同胞が団結して尽力する」ことを改めて表明した。
参列者は、金賢中総領事を先頭に、白菊で飾られた祭壇に次々と献花し、同胞犠牲者の冥福を祈った。大震災が起きた午前11時58分を期して全員が起立して黙祷を捧げた。
(2008.9.3 民団新聞)