会員320人が結束…活動と学びの拠点に
東京上野
在日同胞の自営業者の多さで知られる東京・上野。貴金属加工業に従事する在日韓国人貴金属協会(黄秉徳会長)がこのほどビルを購入した。1999年の創設以来14年、会員および子弟の活動と学びの拠点として、30日にオープンセレモニーを行い新たな出発を祝う。 購入したビルは、上野駅から数分の交通至便なところにあり、周囲に会員の貴金属加工店や韓国料理店などが並ぶ。
土地は約135平方㍍。建物は地下1階、地上7階建てに30台収容の立体駐車場が併設されている。地下に韓国語・日本語教室とキッチン、2階の一部に事務所を設置。ほかの独身用ワンルーム22部屋はすべて会員が入居する。
同協会の会員は約320人。数年前から園児・小学生の子弟のために韓国語教室を毎週土曜日に開き、受講生が40人ほどに増えた。賃貸事務所が手狭になったことと、2年前の東日本大震災で事務所のビルが被害を受けたため、別のビルに移転を検討してきた。
適当な空間がなかなか見つからず、後世のために思い切って事業ビルを購入することを決めた。昨年末から契約を進め、ビル全体をリフォームした。7代目の黄会長は、「会員宅を回りながら説明すると、誰もが喜んでくれた。協会の拠点ができることで、これまで以上に安心して仕事にも打ち込めるのでは」と期待する。
上野・御徒町周辺に韓国からの加工職人が居住するようになったのは1970年代後半から。20年ほど前には1000人を数えるまで増えたが、バブルがはじけて半減した。東日本大震災でさらに減少したが、最近はまた増え始めているという。
仕事は、金や銀、プラチナなどの貴金属を材料に、美しい指輪やネックレス、ペンダントに仕上げるのが主だ。高価な商品だけに、技術力と信用が重要視される。
99年に同胞の協会を立ち上げた。親睦ゴルフ大会をはじめ、婦人会の協力による上野桜まつりでの屋台出店、秋夕の時のソンピョン販売などで得た収益金をもとに、会員子弟30〜40人に奨学金を授与したり、韓国語・日本語講座を開催してきた。 credit card dumps
今回の事業ビル購入を契機に、今後は、「技術者を養成する研修の場が必要だ。日本の公的機関と話し合いながら進めていきたい」と、黄会長は抱負を語る。将来を見据えながら、この地に根づき、共存共栄を図っていく意向だ。
同協会の住所は東京都台東区東上野2‐12‐1。
(2013.3.27 民団新聞)