掲載日 : [2023-07-05] 照会数 : 1403
高校生向け韓国語検定無料試験 12月~来年1月 東京と大阪予定
高等学校で韓国語を勉強している高校生のために受験料無料の第2回検定試験(初級)が東京と大阪の会場で試験的に実施される。昨年の第1回は韓国語を教えている各高校が授業時間を利用して実施したが、今回は各校での受験に加え、会場受験が追加されるため、独学の高校生でも受験が可能になる。主催の一般社団法人高校韓国語検定協会(代表理事〓黒澤眞爾・関東国際高等学校副校長)は「高校生の韓国語学習熱を単なるブームに終わらせない」と高大連携の可能性を含めさらなる普及に意欲的だ。
高校韓国語検定協 「さらなる普及へ」
対象は週に1~4単位の学習者を目安としている。レベルとしては、ハングルの読み書きがなんとかできて、あいさつ程度の会話が可能という初級学習者を想定している。試験を受けることでどこまで身についたのか、学習の到達度を客観的に見ることができる。
「レベル1」は50~79点、80点以上になると「レベル2」の認定証が送られる。第1回は全国で54校1560人が受験し、「レベル1」、「レベル2」ともそれぞれ約3割の合格者を出した。難易度は高校の学習現場に合わせ、平均65点となるように工夫されている。
韓国語検定試験は大韓民国教育部・国立国際教育院が世界各国で実施している「韓国語能力試験(TOPIK)」とハングル能力検定協会による「『ハングル』能力検定試験」が代表的。
しかし、限られた授業時間内で学ぶ高校生には難易度が高く、受験料も負担になる。その点、高校生に特化したこの試験は45分という所定の授業時間内で受験でき、しかも無料だ。現場の教員からは「これは非常にいい機会」「生徒たちにとって励みになる」という声が寄せられているという。
費用は昨年まで韓国国際交流財団の支援を受けてきたが、今年からは桜美林大学をはじめとする韓日両国の大学などからの協賛を受けている。今年は会場受験が加わることで12月から来年1月にかけて昨年の約2倍の受験生数を想定している。
一社高校韓国語検定協会は日本の高校における韓国語教育の普及と教育内容の質向上を目的に設立。第1回検定試験実施にあたっては事前に3回の模擬試験を実施してきた。黒澤代表理事は「若い人たちが隣国の言語をしっかりと学べるようにしていきたかった。認定レベルを大学側でも入試の基準として認めてもらえるようにしていくのがこれからの課題」と話している。
文部科学省によれば、韓国・朝鮮語の開設高校は1999年当時が131校だったのに対し、18年には342校まで増えている。
(2023.7.5民団新聞)