掲載日 : [2022-08-16] 照会数 : 55638
韓日関係の早期改善を訴える…77周年光復節中央記念式典
[ 赴任後最初の公式行事参加となった尹徳敏大使が尹錫悦大統領の慶祝辞を代読 ] [ 青年会の先導でスローガンをシュプレヒコール ] [ 太極旗を手に万歳三唱する参席者 ]
第77周年光復節中央記念式典(民団中央本部主催、東京本部主管)は15日、東京都江戸川区の「江戸川区総合文化センター」で開催された。「コロナ第7波」を踏まえ、今年も規模を縮小し、参加対象を中央、東京本部の3機関、支部、中央傘下団体、韓人会の代表に制限し、キャパシティ約1500人のホールに600人程度に制限した。
当初、企画を練っていたのは4月過ぎで、東京都内のコロナ感染数が落ち着きを見せていた時期だった。しかし、7月から第7波に突入したことで、企画の縮小を余儀なくされた。
日本国会議員の招待も取りやめ、恒例となっていた芸能公演も中止にした。ただし、毎年参加者が楽しみにしていた大抽選会は賞品の種類を抜粋して実施した。
式典に先立ち、2年前の光復節で在外同胞財団が主催しKBS(韓国放送公社)で生放送された、在日同胞の母国への貢献を讃える「あなたが大韓民国です」のダイジェスト版が上映された。
国民儀礼の愛国歌斉唱は東京韓国学校合唱部の3人が合唱し、参加者は発声を控えた。
東京本部の李壽源団長が開会のあいさつで「民団は東京での光復節式典を1946年の1周年以来、欠かさずに開催してきた」としながら、「コロナ禍はまだまた予断を許さないが、団員の皆さんは感染対策を講じながら相互扶助の精神で団結し、この困難を乗り越えましょう」と述べた。
続いて、日本赴任後、初の公式行事参加となった尹徳敏大使が登壇。
尹大使は尹錫悦大統領の慶祝辞の中から韓日関係の部分に絞って代読。「日本は世界市民の自由を威嚇する挑戦に対抗して、共に力を合わせて進まなければならない隣国。韓日関係が普遍的な価値を基盤に両国の未来と時代的な使命を目指して進んでいく時、歴史問題もきちんと解決される。1998年に金大中大統領と小渕恵三首相が発表した、韓日パートナーシップ宣言を継承し、韓日関係を早期に回復、発展させていく」との内容を強調した。
中央本部の呂健二団長は「韓日関係の悪化は東アジアの安全保障とも密接に関連する問題。歴史認識問題に対する立場の違いを乗り越え、この間の相互不信を解き、一日も早い関係改善の道筋が開かれることを願ってやまない」としながら、「次世代育成、組織の基盤強化、韓日関係の改善の3大重点課業を積極的に推進しよう」と呼びかけた。
この後、①長引くコロナ禍を乗り越え、在日同胞の生活安定と権益を守るために尽力②次世代の育成を通じて、民族的アイデンテティの確立と組織基盤の強化に力を尽くす③北韓の一日も早い非核化を求め、韓半島の恒久的な平和体制の構築に寄与④韓日の関係改善と友好増進のため、韓日間の架け橋として草の根交流事業を積極推進⑤民族差別を煽り、人間の尊厳を踏みにじるヘイトスピーチを根絶し、共生社会の実現に尽力-の5項目の決議文を採択した。
続いて、青年会東京本部(鄭昌晃会長)のメンバーがステージに登壇し、▼同胞の生活安定と権益伸長に努力しよう▼後継者育成に尽力しよう▼韓日関係改善に積極参与しよう▼ヘイトスピーチ根絶と共生社会実現に尽力しよう-などのスローガンをシュプレヒコールした。
最後は金秀吉民団中央本部顧問(東京本部常任顧問)の音頭で万歳三唱。参加者は太極旗を手に握りながら両手を上に伸ばした。
第2部ではお買い物商品券等が当たる大抽選会が行われた。
第77周年光復節決議文
本日、光復77周年を迎えた私たちは、民族解放の喜びと祖国光復のために犠牲になられた先人たちの尊い愛国精神を深く胸に刻み、今日の祖国の繁栄と在日同胞社会の発展に献身されてこられた諸先輩に敬意と感謝の念をささげます。
私たちは、不幸な歴史が二度と繰り返されないよう韓半島の恒久的な平和と繁栄を希求し、在日同胞社会の安寧を守るために韓日の友好増進を積極的に推進して参ります。同時に、自由と民主主義に立脚し、同胞の生活を守るために差別と闘ってきた民団76年の歴史を踏まえ、本日参集された同胞の皆さまと共に、次世代育成と共生社会の実現に邁進することを確認し、次のように決議します。
一.私たちは、長引くコロナ禍を乗り越え、在日同胞の生活安定と権益を守るために尽力します!
一、私たちは、次世代の育成を通じて、民族的アイデンテティの確立と組織基盤の強化に力を尽くします!
一、私たちは、北韓の一日も早い非核化を求め、韓半島の恒久的な平和体制の構築に寄与します。
一、私たちは、韓日の関係改善と友好増進のため、韓日間の架け橋として草の根交流事業を積極的に推進します!
一、私たちは、民族差別を煽り、人間の尊厳を踏みにじるヘイトスピーチを根絶し、共生社会の実現に尽力します!
2022年 8月 15日
第77周年光復節中央記念式典参加者一同