掲載日 : [2022-08-31] 照会数 : 3057
各地方の第77周年光復節式典…縮小のなか厳粛に
[ 久しぶりに「光復節歌」を斉唱する婦人会広島本部 ]
[ 盧桂順さんが「歴史の同伴者である女性たち」について講演 ]
[ 京都は新会館建設で団員との絆をより深め次世代にバトンをつないでいく事を誓い合った ]
[ 民団愛知本部の「学生フォトコンテスト」授賞式から ]
第77周年光復節記念式典が東京以外にも各地で開催された。昨年に続くコロナ禍のなかの式典となり、会場での飲食も中止するなど、全体的に緊縮ムードがただよう開催となった。なかには式典そのものを延期した地方も見られた。それでも多くの地方は細心の感染防止策を施し、参加者も最小限に絞るなどして厳粛に在日同胞社会最大の慶祝行事を開催した。
◆関東地区
オンラインでも
神奈川(李順載団長、15日=同本部) コロナ感染再拡大の懸念が高いとして、第7回地方執行委員会で県本部会館での縮小開催を決定していた。式典と各種商品の当たる抽選会の模様は動画サイト「YouTube」でライブ配信。記念誌と記念品を全世帯に発送した。
茨城(金桂一団長、20日=水戸市内のホテル) 新型コロナウイルス感染防止のため、役員のみの縮小開催とした。金団長は尹大統領のもとで韓日関係に進展があることを期待すると述べた。また、次世代育成への決意も述べた。
埼玉(崔洛文団長、11日=同本部) 式典後、景民杓同常任顧問が8・15独立と大韓民国政府樹立に至る過程について約40分間記念講演を行った。
崔団長は同本部の抱える懸案である後継者育成や財政確立といった懸案の解決に向けて取り組んでいく決意を述べた。
西東京(崔貫一団長、15日=同本部) 崔団長は「韓日友好と共存共栄社会と住みよい街づくりをめざし、国籍関係なく地域住民として交流の輪を広げ、民間レベルでできることから活動していく」と述べた。
参加者には記念品と弁当を配布した。
◆東北地区
成人式を同時に
宮城(李純午団長、15日=同本部) コロナ感染防止対策として役員、関係者のみの対面開催とし、一般団員には式典の模様をズーム配信した。
まず、カラー復元された第1周年光復節記念式の映像を鑑賞。李団長は次世代育成、組織基盤強化、韓日関係改善という3大課業について言及しながら、なにより同胞愛の重要性を強調した。
引き続き2022年度韓国人成人式に移り、新成人2人の門出を祝った。
岩手(李太炯団長、10日=同本部) コロナ禍のため式典は縮小開催。姜英萬事務局長が6月に東部地域と県南一部を2泊4日間かけて家庭訪問し、団員の安否確認を行ったことを報告した。参加者には弁当と記念品を配った。
◆中北地区
人権条例に意欲
愛知(河隆實団長、15日=同本部) 新型コロナのオミクロン株急拡大を受け、会場オフライン参加を本・支部の一部役員に限定。一般団員やその他の役員向けには動画サイト「YouTube」でライブ配信した。
河団長はヘイトスピーチ対策の一環として今年4月から施行された「愛知県人権尊重の社会づくり条例」に続き、名古屋市をはじめとする県内各自治体に対してもヘイト条例の制定を働きかけていく考えを示した。
式典に先立ち、6月に募集を行った「学生フォトコンテスト」の最優秀賞、優秀賞、佳作各賞の表彰式を執り行った。
岐阜(董勝正団長、15日=岐阜市内のホテル) 席上、董団長があいさつに立ち、次世代を担う青年の教育を通じて民団の発展に寄与していくと決意を述べた。
◆近畿地区
民族の誇り胸に
兵庫(金泰煥団長、11日=神戸市内ビフレホール) 金団長は「自分のルーツは韓国であることを普通に語れる共生社会をめざすことが、私たち民団の活動にもつながる。これからも恐れることなく前進していこう」と呼びかけた。
式典後は神戸と宝塚の各オリニ土曜学校の生徒たちがK‐POPダンス、テコンドーなどを披露する文化公演、賞品抽選会が行われた。
京都(金政弘団長、16日=同本部) 金団長は「来月から始まる新会館建設の大事業のもと、団員との絆をより深め、新たなコミュニケーションの場として次世代にバトンをつないでいこう」と呼びかけた。
孔信根副団長が決議文を朗読、拍手で採択された。顧問団を代表して王清一常任顧問が「私が着用しているトゥルマギを3機関長も着用しての参加は、民族の誇りをもって民団を継承していく情熱の証。これまで経験してきた叡智や思いを次世代が受け継いでくれることを願っている」と期待を寄せた。
奈良(李勲団長、11日=同本部) 第2部では親子2代にわたって朝鮮女性史を研究している大学教員、盧桂順さんが「歴史の同伴者である女性たち」について講演した。団員、特に婦人会関係者からは「勉強になった」との声が多く聞かれた。
式典では李団長が「韓日関係改善への尹大統領の手腕に期待している」とあいさつした。
滋賀(金東凡団長、15日=大津市内のホテル) 金団長は「民団は地域住民と共生協力、相互信頼を拡大していくための努力を惜しまない」とあいさつした。縮小開催のため参加人数を30人に制限した。
和歌山(孫文敏団長、15日=和歌山ビッグ愛) 参加者を限定しての縮小開催。式典を終えての第2部で韓日渡航手続きに関する説明会があった。
◆中国地区
「光復節の歌」斉唱
広島(金基成団長、11日=同本部) 婦人会広島本部がコロナ感染拡大に伴い中止していた「光復節歌」を久しぶりに斉唱した。金団長が中央団長の祝辞を代読。席上、韓国奨学会から大学生5人に奨学金が授与された。林始興駐広島総領事からは「光復以降、永住権申請運動、指紋押捺撤廃運動、地方参政権運動に至るまで同胞社会の尊厳と権益を守るため熱心に活動してこられたことに敬意を表す」とのあいさつがあった。
式典に先立って韓国伝統文化公演が行われた。
岡山(金成植団長、13日=同本部) 役員だけの縮小開催。式典に先立って岡山日本語教室の浦上典江理事長、横浜幸銀岡山支店の藤谷明仁支店長の2人に来賓の梁起豪駐神戸総領事が「功績者表彰」を行った。
鳥取(黄龍也団長、6日=同本部) 冒頭、薛幸夫同本部常任顧問が在日の立場から8・15を祝うとして、「終戦」ではない「光復」の意義を語った。第2部で「第61回在日講座」を開催した。
山口(徐鶴奎団長、7日=下関シーモールパレス) 式典後、文化公演を予定していたが、新型コロナ感染拡大のため中止となった。
◆九州地区
伝統芸能で競演
長崎(朴正煥団長、15日=諫早市内のホテル) 式典を終えての2部で、江戸時代の朝鮮通信使の足跡をたどり、写真を撮り続けてきた元県職員、仁位孝雄さんが自らの作品を披露しながら「文禄慶長の役&朝鮮通信使」と題して記念講演を行った。
参加者からは「写真を見ながらお話を聞けたので、まるで現地を訪れたような感覚で韓日の交流の歴史について学ぶことができた」と好評だった。
佐賀(朴弘正団長、12日=県立生涯学習センターアバンセ) 2部で佐賀女子短期大学の現代韓国文化研究センター長を兼務する長澤雅春副学長が「韓流ドラマがよくわかる~『朝鮮三国の建国神話』」と題して特別講演を行った。
講演ではドラマ映像や各種資料もふんだんに紹介した。参加者は「なにげなく見ていた『太王四神記』や『朱蒙』といったドラマについて、当時の時代背景がよく理解できた。歴史へのさらなる興味をかきたてられた」と感想を語った。
朴団長は、若い世代を呼び込むため、これからも楽しく興味ある内容を企画していきたいと話していた。
大分(呉成秀団長、11日=同本部) コロナ感染対策として民団関係者のみによる縮小開催となった。呉団長は組織活性化と同胞社会の大統合、次世代育成、韓日友好増進に積極的に取り組むとの決意を述べた。
沖縄(南成珍団長、15日=那覇市内のホテル) 南団長が中央慶祝辞を代読。県日韓協の真栄里泰山理事長が韓日民間友好を推進していくとの祝辞を述べた。
2部懇親会では読谷村高志保青年会が地域伝統芸能「エイサー」を。また、地元ダンススタジオ「Bambino」も韓国のラッパーPSY(サイ)の「That That」のK‐POPダンスを披露するなど、韓国と沖縄を結ぶ文化交流を繰り広げた。このほか、2022年度高校総体女子円盤投げで優勝した在日2世、友利晟弓さん(那覇西高校3年)の映像も紹介された。
◆四国地区
愛媛(15日=同本部) 新型コロナ感染症が同胞間でも広がりを見せているため、少人数で縮小開催した。