掲載日 : [2021-04-13] 照会数 : 7678
李鶴来氏の死を悼む…韓国人元BC級戦犯「最後の証言者」
[ 李鶴来会長の遺志を継ぐと誓う朴来洪副会長 ]
名誉回復訴え66年、院内集会で遺志継承誓う
韓国人元BC級戦犯者としては「(日本)国内最後の証言者」だった李鶴来さん(96、「同進会」会長)の死を悼む院内集会が1日、都内であった。集会を呼びかけた恵泉女学園大学名誉教授で「同進会を応援する会」の内海愛子代表と、同進会副会長の朴来洪副会長が、李鶴来さんの遺志を継ぎ、名誉回復に向けての運動を継続していくと遺影に誓った。
この日は「同進会」結成から66年の節目にあたり、「外国籍BC級戦犯者問題解決ための早期立法を願う集い」として準備してきた。李さん自身、リモートでの出演を予定していた。死去の報を受け、会場に遺影の写真を掲げ、プログラムには急きょ「李鶴来会長をしのび、遺志を継いで」の文言を加えた。
李さんは17歳の時、日本軍軍属である捕虜監視員の募集に応募。タイ俘虜収容所の本所があるバンコクに派遣され、最末端の軍属として泰緬鉄道建設のために使役された連合国捕虜の監視にあたる。このことで捕虜の恨みを買い、戦犯に問われ、連合国裁判で一時は死刑の判決(後に減刑)を受けた。
「スガモ・プリズン」出所後は「日本の戦犯として責任を追わされ、死んでいった仲間たちの無念を多少なりとも晴らしたい」と1955年4月1日に「同進会」を結成。今日まで歴代30人の首相に外国籍戦犯問題の解決を要請してきた。
河村建夫自民党衆議院議員は、日韓議連幹事長として韓日議連とも協力して法案を取りまとめた立役者の1人。しかし、党内の協力を得られず、国会への提出にまでは至っていない。集会では声を詰まらせながら「申し訳ない。このままで済ませられる問題ではない。改めて問題提起して前に進めていく」と述べた。
立憲民主党の有田芳生参議院議員は李さんの生前の印象を次のように語った。「糾弾ではない。静かな声で不条理と闘っていた。そこには深い憤りと悲しみが込められていた。大きい声だけが告発ではないと思い知らされた」。
社民党の福島瑞穂参議院議員は「立法化へ国会への法案提出が残された宿題」と自らに言い聞かせていた。
韓国からは韓国同進会の卞光洙理事と崔鳳泰大韓弁護士協会日帝被害者人権特別委員会委員長がオンライン出演した。同進会と「応援する会」では「偲ぶ会」を予定している。
(2021.04.14 民団新聞)