掲載日 : [2004-10-27] 照会数 : 2255
上告審弁論12月に 都庁管理職任用差別訴訟
高裁勝訴判決見直しか
都の保健師、鄭香均さんの管理職受験資格をめぐる「都庁管理職任用差別訴訟」の上告審で、最高裁大法廷は12月15日午後2時から、双方の主張を聴く弁論を開く。21日、関係者に通知した。最高裁のこれまでの慣例からして弁論を開くと決めた以上、高裁での勝訴判決はなんらかの形で見直される可能性が高いといわれる。
在日同胞の憲法上の権利をめぐって、15人の裁判官で構成する最高裁大法廷が開かれるのは極めて異例。例外としては、巣鴨プリズンに収容した元BC級戦犯の拘留の続行をめぐって論議されたことがあるくらい。
鄭さんは88年に都の保健師として採用された。在日外国人の保健師としては、全国的にも先駆けとなる存在だった。採用から7年目で上司から薦められ、後輩のためにも道を開こうと、管理職試験受験を決意した。当時、実施要項にも国籍要件は明記されていなかった。
だが、都から外国人に管理職試験受験の資格はないと聞き、思い悩んだ末に94年9月、東京地裁に提訴した。地裁は「当然の法理」をあてはめて95年6月、鄭さんの訴えを棄却。一方、東京高裁は公務員の種類を厳密に分類し、都を憲法違反として40万円の賠償を命じた。
最高裁大法廷がどのような判断を示そうとも、この先、将来の日本の公務員と外国人のあり方を事実上決定することになりそうだ。
(2004.10.27 民団新聞)