掲載日 : [2004-10-27] 照会数 : 3940
新時代の民団像 公聴会論議進む(04.10.27)
[ 近畿地協規約公聴会 ]
構成員の資格拡大を軸に
新時代に対応する民団像はいかにあるべきか‐規約委員会は民団運営の基軸となる規約の改定に向け、幅広い意見を集約するための公聴会を関東地協(19日)、近畿地協(21日)、中北地協(22日)で開き、構成員資格を日本籍、朝鮮籍同胞に拡大する改定案を軸に活発で真摯な論議を交わした。地協単位の公聴会は中国・四国を残すのみで、規約委は11月中にも公聴会の意見を反映させた改定原案をまとめる。
一連の公聴会は規約委員会が主催したもので、たたき台となる改定案は昨年12月に発足した作業部会を中心に作成した。第一次は6月に九州、東北で行われ今回は第二次。台風23号の影響で20日開催予定が11月18日に延期された中国・四国を残すものの、賛否両論がほぼ出揃った格好だ。
韓国中央会館で開かれた関東地協公聴会は約100人、大阪本部での近畿地協は約150人、愛知本部での中北地協は約80人の本部・支部幹部らが参加した。各公聴会の参加者に組織の現状認識と将来への危機意識は共通しており、熱心な意見発表がいずれも4時間前後にわたった。
論議が最も集中したのは、日本籍・朝鮮籍同胞の受け入れと権利付与の問題。傘下団体や一部支部で日本籍同胞がすでに無視できない存在だと指摘され、「日本籍同胞を受け入れる以上、整合性からいっても朝鮮籍同胞は排除できない」、「構成員を『国籍』でなく『民族』でくくる流れは現実化している」との意見があった。一方で、「時勢や法理に適応し過ぎれば、『在外国民』団体としての矜持が揺らぎ、組織の根幹を危うくする」との見解も表明された。
構成員の範囲拡大と強固な帰属意識の確立という、組織が根源的に抱える相克的な命題を同時追求する必要性が改めて浮き彫りになった。
監察機関任員に当該組織3機関長選挙の投票権を与える件では、「不羈独立が揺らいで厳密な監査ができなくなる」などの意見が大勢を占めた。中央選挙に地方本部・支部の幹部が幅広く参加する道を開く選挙人制度は、総論としては歓迎の方向が示された。ただ、選挙制度が煩雑にならないか、代議員1票に対して選挙人10人で1票という数字は妥当か、などの問題が指摘された。中央大会の権威を損なわない範囲内で、規約改正と3機関副任員の補選を可能にするなど、中央委員会の権限を強化する改定案にはほとんど異論が見られなかった。
規約委員会は11月中に最終案をまとめ、3機関協議と中央執行委員会を経て、来年2月に予定されている臨時大会に上程する。
(2004.10.27 民団新聞)