掲載日 : [2019-12-04] 照会数 : 7030
勢いある韓国絵本
[ 講演者の鄭炳奎さん(右)と千尚鉉さん(左)。中央は通訳 ]
魅力さぐる講演会
国会図書館こども図書館が企画
韓国絵本の魅力を伝える講演会が1日、国立国会図書館子ども図書館(寺倉憲一館長、東京都台東区上野公園)で開かれた。世界各国の児童書の魅力を発信している同図書館が「韓国の絵本はたいへん勢いがある」として企画した。
鄭炳奎さん(出版都市文化財団子どもの本芸術センター共同代表)は韓国の絵本70年の歴史を振り返った。
講演によれば、韓国で絵本というジャンルが確立したのは1960年代。解放当初、著名な画家が解放直後、子どもたちのために描いた挿絵としての役割から独立した。当時は「沈清傳」に代表されるように土俗的、民画的雰囲気を宿していた。
80年代からは社会的な訴えを含んだ作品が次々に登場する。『山になった巨人‐白頭山ものがたり』はその代表的なもの。「荒っぽいタッチで子どもの絵本というイメージを覆した」。鄭さんはこの当時の作家を「第1世代」と位置付けた。
95年以降の「第2世代」からは日本でも話題になった創作絵本『こいぬのうんち』が生まれた。民俗性にとらわれない自由な発想が特徴だ。
現在は「第3世代」15年2月に絵本のノーベル賞といわれる「ボローニャ・ラガッツイ賞」で韓国絵本が全5部門すべてで入賞したのはこの世代の作家たちだ。この後、千尚鉉さん(出版都市文化財団子どもの本芸術センター共同代表)が新進の韓国絵本作家たちの活動を報告した。
(2019.12.04 民団新聞)