掲載日 : [2019-04-03] 照会数 : 15177
東京五輪へ有望在日同胞選手を激励…体育会65周年式典
[ 東京オリンピックへ向け、有望選手に激励金を手渡された ] [ ステージに登壇した在日同胞選手(左から金知秀、金琳煥、安昌林、許海実、金秀範) ] [ 64年東京五輪の銅メダリスト、金義泰さんは安昌林選手には激励金を手渡し「しっかりな!」と激励した ] [ ロス五輪金メダリストの山下泰裕・全日本柔道連盟会長も在日選手たちにエール ]
在日本大韓体育会創立65周年を祝う
韓日メダリストもエール
在日本大韓体育会(崔相英会長=以下、体育会)は3月31日に都内のホテルで創立65周年記念式典を兼ねて、来年の東京五輪に出場が有望視されている、在日同胞選手の激励会を開いた。会場には韓日の五輪メダリストなど、栄光のアスリートも出席し体育会65周年と在日選手にエールを送った。また、IOC委員でもあり、平昌五輪・パラリンピックのレガシー(遺産)の継承に取り組む「2018平昌記念財団」の柳承敏理事長は平昌五輪スピードスケート女子500メートルの決勝後、抱き合って互いの健闘をたたえた韓国の李相花選手と日本の小平奈緒選手に、「韓日友情賞」を贈りたいと明らかにした。激励会では、有望5選手に激励金が渡され、それぞれが決意表明を行った。
記念式典には民団と体育会役員をはじめ、大韓体育会や日本オリンピック委員会、日本スポーツ協会など、韓日体育界の重鎮ら多数と合わせ250人が駆け付けた。
かつて韓国代表として五輪出場した在日同胞柔道選手、金義泰(64東京大会・銅)、朴英哲(76モントリオール大会・銅)をはじめ、韓国から2002W杯で韓国ベスト4進出に貢献し、ロンドン五輪で韓国初のメダル獲得を果たした洪明甫氏、北京五輪、水泳の金メダリスト朴泰桓氏のほか、日本側からも84年ロス五輪金メダリストで全日本柔道連盟会長の山下泰裕氏、元サッカー日本代表監督の岡田武史氏ら栄光のアスリートらも参席し、エールを送った。
式典の冒頭、65年の歩みを振り返る映像が上映された後、崔会長は「祖国解放から3年後のロンドン五輪に在日同胞体育人が募金を集めて祖国の五輪初出場を実現させたことから体育会の歴史が始まった」としながら、「祖国とスポーツを愛し続けた在日同胞の気持ちは65年を経たいまでもしっかり受け継がれている。来年の東京五輪では柔道を中心に、かつてない人数の選手出場が見えてきた」と期待を込めた。
民団中央の呂健二団長は数々の栄光に輝く選手を発掘してきた体育会の功績を称えながら「来年の東京五輪では在日同胞選手たちが世界に誇る活躍を見せてくれると信じている」と期待を込めた。
元柔道韓国代表として76モントリオール五輪銅メダリストでもある、国民体育振興公団の趙在基理事長は「韓国がスポーツ強国になった陰の功労者こそが在日同胞の皆さん」としながら「皆さんの支えがあったからこそ、韓国スポーツが希望の光を諦めなかった。また、日本の各種スポーツ界で大活躍している在日同胞スポーツマンの活躍も韓国民に勇気と自信を与えた」と在日同胞の母国への貢献を称えた。
また、来年の東京五輪に対し、「平昌五輪で心配されていた厳寒も幸いに温暖気候に恵まれた。猛暑が心配されている東京五輪もきっと涼しい気候になると確信している」と成功を祈った。
日本オリンピック委員会(JOC)の竹田恒和会長は「昨年の平昌五輪で見せた、李相花選手と小平奈緒選手の互いを尊敬し合ったシーンは、私たちが共にめざすオリンピック・ムーブメントの姿だと思う」と称えながら、「65周年を機に日本と韓国との交流の懸け橋として、スポーツを通じた両国の益々の友好、発展に力を貸していただきたい」と述べた。
力強く決意表明 5人に激励金
この後、来年の東京五輪出場が有望視されている在日同胞選手を紹介する映像が上映された後、激励会に移った。
選手は柔道73㌔級・世界ランキング2位の安昌林をはじめ、金琳煥(66㌔級)、金知秀(女子57㌔級)、許海実(女子52㌔級)、今年6月にフランスで開催されるサッカーの女子ワールドカップに韓国代表入りしている康裕美ら韓国代表と、テコンド男子80㌔級の日本代表、金秀範の5選手。
ステージに登壇した選手たちには崔会長をはじめ、金義泰、朴英哲氏らから激励金が手渡された後、それぞれ決意表明。
特に金メダルが期待されている安昌林選手は「このように在日同胞みなさんの応援はとても心強い。東京五輪では必ず金メダルを獲るので応援してください」と力強く宣言した。
日本代表として出場が見込まれている金(江畑)秀範選手は「64年東京五輪から柔道が世界に広まったように、東京五輪でテコンドを世界に広めたい」と懸け橋としての役割を示した。
(2019.04.03 民団新聞)