掲載日 : [2019-04-03] 照会数 : 7305
藤本巧さん写真集...生野区の在日撮り30年
本紙2面に「朝鮮通信使」を連載中の写真作家、藤本巧さんが大阪生野区、生野民族文化祭の様子を収めた写真集『民族の風1987‐2018』を工房草土社から刊行した。
藤本さんは韓国での取材に平行して、1980年代後半から生野民族文化祭を撮り続け、以降30年間、在日同胞の日常を撮影してきた。同文化祭は、秋の同胞祭りとして1983年から、2002年まで行われた。藤本さんが撮影を始めたのは1987年からだ。
農楽パレードには、子どもから大人までが参加。チャンゴやプク、ケンガリを鳴らしながら地域を練り歩く姿はどこか誇らしげに見える。
学校の校庭にはゴザを敷き、豚の頭や供え物を準備して開催の成功と厄払いを願う儀式、告祀(コサ)の様子が写っている。民俗遊戯、韓国舞踊、農楽などが披露される校庭に集まった、世代を超えた同胞たちの屈託のない笑顔が印象的だ。
「大阪生野区」では87~96、11~18年代に分けて紹介。同胞の胃袋を支える鶴橋商店街、御幸通商店街などに集う人たち。同胞の最多居住地である生野区は、時代は移り変わっても彼らを温かく包み込む。
定価3800円+税。
問い合わせは工房草土社(0743・61・5615)、フリーダイヤル(0120・104・916)。
(2019.04.03 民団新聞)