掲載日 : [2019-11-02] 照会数 : 11535
「首脳会談早期開催を」…日韓・韓日議連が合同総会で声明
[ 第一議員会館で行われた日韓・韓日議員連盟の第42回合同総会 ] [ 額賀福志郎日本側会長と姜昌一韓国側会長 ]
日韓・韓日議員連盟の第42回合同総会が1日、衆議院第一議員会館で開催され、悪化が続く韓日関係の改善に向けて、両国の議員が努力をしていくことで意見を一致にした。共同声明では98年の金大中ー小渕「21世紀に向けた韓日パートナーシップ共同宣言」の精神に立ち戻り、両国関係を早期に正常化させなければならないとの認識で一致したことを強調し、両国の首脳会談及び高位級会談を早期開催するよう促すことを明記した。
韓国側から姜昌一会長をはじめ41人余り、日本側は額賀福四郎会長以下、衆・参の議員111人が参加した。民団中央本部から呂健二団長と朴安淳議長が参席した。
開会式で額賀会長は「今年日本は令和に改まり、新たな歴史を踏み出す記念すべき年即位礼正殿の儀には、李洛淵首相に参列頂、き共に喜びを分かち合い、心から感謝している」とし、「令和時代を迎えるにあたり議員連盟としても戦後最悪と言われる状態を深刻に受け止め、解決の糸口を見いだすために政治家が正しい判断と決断が求められている。国民の代表である私たち議員が本領を発揮し、両国に置かれている現状に真正面から向き合い、現在と未来の日韓の利益、両国国民の幸福のために何をなし得るかを話し合おう」と呼びかけた。
姜会長は「葛藤の余波を受けて減少した交流と協力に多くの人が残念に思っている。ここに参加している両国間議員が総会を通じ、友好協力の枠組みを強固にする契機を作りたいと思っているはず」としながら、「両国議員連盟が蓄積してきた経験を生かし、問題解決へ役立てていこう。そのためにも『易地思之』(相手の立場になって考える)の知恵を発揮し、両国間の立場の隔たりを埋めるための意思を実践に移そう」と強調した。
続いて、日本側から大島理森衆議院議長、山東昭子参議院議長が、韓国側からは文喜相国会議長、李洛淵首相からメッセージが寄せられた。
それぞれのメッセージではラグビーワールドカップで日本8強入りに貢献した韓国人、具智元選手が話題となり、「具選手が力強くスクラムを組む姿は多くの日本国民に感動を与えてくれた。彼こそ韓日両国の懸け橋だ。スポーツ、文化、教育など幅広い分野で活発な交流が継続され、多くの方々が韓日の懸け橋になることを期待している」と述べた。
この後、両国議員連盟の基調が日本側は河村建夫幹事長、韓国側は金光琳幹事長がそれぞれ報告した。
午後からは、①経済・科学②法的地位③未来④女性⑤安保・外交の分科委員会に分かれて、各分野での懸案事項などを協議した。
午後5時からは各分科委員会の結果報告があり、合わせて各分科委員会での合意事項をまとめた共同声明が発表された。
声明は①北韓の核・弾道ミサイルの廃棄と平和構築に向けて安全保障分野における協力を一層堅固にし、韓日米の連携体制も強化②両国間の貿易と投資の活性化に向け、韓日中FTAや東アジア地域包括的経済連携(RCEP)等の多国間貿易協定を前向きに検討③両国国民間の友好親善強化へ文化、観光、スポーツ、メディア交流や朝鮮通信使などの人的交流を一層活性化するため、積極的に努力④ヘイトスピーチ解消法制定を契機に、今後とも韓日の友好を阻害する言動の根絶に向けた一層実効性ある施策や体制の整備に共に努力⑤永住外国人に地方参政権を付与する法案成立へ今後とも一層努力⑥東京夏季五輪・パラリンピック成功に向け、交流・協力実行委員会を設置⑦女性の政治参加拡大に向け、クォ一タ制を含む政策的・制度的改善が必要であるとの認識で一致し、法的・制度的改革策を共に推進など。
あわせて70~80年代の在日韓国人スパイ事件に関する韓国人えん罪被害者の特別永住権の回復へ協力していくことも盛り込まれた。次回合同総会は来年、韓国で開催することでも合意した。