掲載日 : [2005-03-30] 照会数 : 2603
日弁連「60年前の冤罪同胞の人権回復を」(05.3.30)
日弁連が適正措置勧告…兵庫でシンポ
【兵庫】日本の植民地時代に治安維持法違反で有罪判決を受けた徐元洙さん(80)=兵庫県西宮市在住=からの人権侵害救済の申し立てに対し、日本弁護士連合会(梶谷敦剛会長)は「思想・良心の自由、表現の自由を侵害した」として日本政府に「肉体的・精神的被害の回復のため補償を含めた適切な措置を講じるべき」と勧告した。
勧告は2月2日付。治安維持法に対する人権救済申し立ても、日本政府に対する勧告もこれが初めて。19日には徐さんを招いて「日弁連勧告シンポジウム」(同実行委員会主催)が兵庫勤労市民センターで開かれた。
報告によれば、徐さんが治安維持法違反に問われたのは、19歳の時に中学時代の同級生にあてた手紙で日本の朝鮮人差別政策を批判、その後も日本国内で朝鮮独立の必要性などについて発言などしたため特高警察に逮捕された。45年2月に懲役2年、執行猶予3年の判決を受け、日本の敗戦で無罪放免となった。
01年、徐さんに代わって日弁連に人権救済の申し立てを行った朝鮮人強制連行真相調査団の洪祥進事務局長は「この勧告は歴史的意義がある。いち個人の問題で終わらせるのではなく、現代につながる問題として、歴史を見直す機会となってほしい」と述べた。
(2005.03.30 民団新聞)