掲載日 : [2005-04-06] 照会数 : 8780
韓日懸案・青年会がソウルでアピール(05.4.6)
[ 画像を使い記者会見する青年会員=1日、ソウル ]
市民連帯を軸に…批判は的絞り交流拡大を
【ソウル】独島領有と歴史歪曲教科書など韓日間の懸案をめぐって、韓国の世論が加熱し民間交流までが中断されている事態を重く見た在日韓国青年会中央本部(壽隆会長)は1日、ソウルのプレスセンターで記者会見を持ち、「日本全体を非難するかのように世論が激昂している。これでは韓国を理解する日本人の反発も呼ぶ。歴史歪曲を推進する一部勢力に批判を集中すべきだ」と訴えた。
韓国メディアに冷静な対応促す
韓国のマスコミに日本の実情と問題点を正確に分析したうえで、冷静に対応するよう求めた会見には国内記者ら30余人が出席、各紙が大きく報じるなど反響を呼んだ。
記者会見に臨んだのは青年会中央の金宗洙・企画事業部長ら。青年会は冒頭で、「民団の傘下団体として、多民族・多文化の共生社会実現、南北統一の推進を日本各地で訴えてきた」ことに触れ、歴史教科書問題について「偏向教育を台頭させず、歴史を真の教訓として活かす教育の広がりを目指して、日本の市民、教師、父母、生徒たちと一丸となって広く論議を喚起していく」との基本的な立場を説明した。
さらに、「日本の一部マスコミは、韓国世論が持つ歴史的背景を一切伝えず、日本を敵視するかのような声だけを強調している。問題の本質を民族感情にすり替え、事態をより複雑化しようとしている」と指摘、「韓国メディアの加熱報道は、単に『反日』としてくくられ、韓国への偏見と排外意識をあおる口実に利用されている。韓国メディアはこの問題を日本人全体への不信につなげることなく、日本の一部勢力による根深い蔑視感に基づいたものであることを冷静に伝えてもらいたい」と強調した。
また、「アジアが何を考えているか、日本国民がもう一度耳を傾けるよう、隣国国民の思いをメディアや政治家が代弁すべきだ。何よりも未来に向けて市民レベルの交流を拡大し、日本の政治家、識者らを動かしていく必要がある」と訴えた。
(2005.04.06 民団新聞)