掲載日 : [2017-08-30] 照会数 : 7318
文大統領、平和的解決を強調…光復節慶祝辞

文在寅大統領は15日、ソウル世宗文化会館で開かれた第72周年光復節記念式典の演説で、「韓国政府の原則は、国益が最優先だ。韓半島で再び戦争が起きてはならない。韓半島での軍事行動は大韓民国だけが決定することができ、誰も大韓民国の同意なしに軍事行動を決定できない。政府はすべてをかけて戦争だけは防ぐ」と強調した。
(慶祝辞要旨は別掲) 文大統領は北韓関係について、「核の凍結から始めなければならない。北韓が追加的な核とミサイルの挑発を中断してこそ対話の条件が整う。高強度な制裁と圧迫の目的も、北韓を対話に導くためのものであり、軍事的緊張を高めるためではない」とした。その上で、北韓当局に「国際的な協力と共生なく経済発展を成し遂げることは不可能で、このままいけば、北韓には国際的孤立と暗い未来があるだけだ。直ちに挑発を中断し、対話の場に出て、核がなくても北韓の安全を保障できる状況を作らなければならない」と促した。
平和統一については、「北韓の崩壊を望んでいない。吸収統一を推進することもなく、人為的な統一を追及することもない。統一は民族共同体の全構成員が合意する平和的、民主的方式で成し遂げなければならない。北韓が既存の南北合意の相互履行を約束すれば、私たちは政府が変わろうとも対北政策が変わらないよう、国会の議決を経てその合意を制度化する」と語った。
また、「南北間の経済協力と東北アジアの経済協力は南北共同の繁栄をもたらし、軍事的対立を緩和させることだろう。経済協力の過程で北韓は核兵器を持たなくても、安全が保障されるという事実に自然に気づくことになるだろう。簡単なことから始めることを今一度、北韓に提案する。離散家族問題のような人道的な協力をいち早く再開する必要がある。離散家族再会と故郷訪問、墓参に対する速やかな同調を」と呼びかけた。
日本との関係では、「歴史問題が、韓日関係の未来志向的な発展の足を引っぱり続けることは望ましくない。新たな韓日関係の発展をめざし、シャトル外交を含む多様な交流を拡大していく。当面の北韓の核とミサイルの脅威に対する共同対応のためにも両国間の協力を強化する」と述べた。
しかし、その一方で「韓日関係の未来を重視するといって、歴史問題を見逃すわけにはいかない。歴史問題をきちんと清算してこそ、両国の信頼がより深まる。韓日関係の障害は過去の歴史そのものではなく、歴史問題に対する日本政府の認識の揺れにあるからであり、日本軍慰安婦と強制徴用等、韓日間の歴史問題解決には、人類の普遍的価値と国民的合意に基づく被害者の名誉回復と補償、真実究明と再発防止の約束という国際社会の原則がある。わが政府はこの原則を必ず守る。日本の指導者たちの勇気ある姿勢が必要だ」とも主張した。
(2017.08.30 民団新聞)