多様化する同胞社会…民団の先導役に期待
駐日本国大韓民国特命全権大使 李 洙 勲.jpg)
多事多難だった丁酉年が過ぎ、希望に満ちた戊戌年が明けました。
同胞皆様が、幸多くを授かり、すべての希望がかなえられるよう心よりお祈り申し上げます。
昨年本国では、新しい時代を開こうとする国民の熱望により文在寅政府が発足しました。
この数年間、韓日関係は多くの困難が降りかかりましたが、文在寅政府出帆後、韓日両国政府は、相互特使を派遣し、2度の首脳会談と9度の電話会談など、ハイレベルな交流を通じて、両国関係を発展させる土台を作ろうとしています。
あわせて、今年は韓日関係発展の画期的な転機となった金大中大統領と小渕首相による「韓日パートナーシップ共同宣言」から20周年を迎える意義深い年です。韓日両国はこれを契機に、両国関係が一段階跳躍できるよう、互いに努力をしていくべきと考えています。
韓日関係の悪化によって、この間、在日同胞の生活に多くの悪影響を及ぼしたことを充分理解しています。在日同胞の皆様が日本国内で地域社会に貢献する一員として、堂々と生きていけるようにしていくことが何よりも重要だと考えています。
これを機に私は赴任後、多様な在日同胞に会い、多くの意見を聞きながら、在日同胞社会発展のための大使館の役割を継続的に模索しています。私と大使館職員は、今後も同胞の皆様が韓民族としての誇りを持って、日本社会で活気に満ちて暮らしていけるよう積極的に努力していきます。
一方、在日同胞社会は世代交代と同時に新定住者、日本国籍取得者、国際結婚などの増加により多様化が進んでいます。これからの在日同胞社会は、多様なメンバーを受け入れ、民族的なアイデンティティーを維持しながら成長、発展していかなければならないと考えています。そのために、民団を中心に各同胞団体が和合の精神で団結し、同胞社会をリードしていくよう頑張って下さい。
今年は平昌冬季五輪が開催されます。平昌冬季五輪が成功裏に開催されるよう、在日同胞皆様の積極的な声援と支持をお願い申し上げます。
今年一年、在日同胞社会が発展と飛躍することを期待し、同胞皆様のご健康とご家族が幸せ満ちる一年になりますようお祈り申し上げます。
在日100年・民団70年の歴史…継続力バネに跳躍を
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全国の同胞の皆さん、明けましておめでとうございます。希望に満ちた新春を迎え、皆様のご多幸とご繁栄を心より祈念申し上げます。
地域社会で、さまざまな偏見や困難のなか、同胞の生活安定のため、日々活動されておられる皆さんに深く敬意を表します。
私たちが今、最も心配しているのは韓半島の安全と平和です。昨年、皆さんは毎日のように心を痛めたことと思います。
私たちは核兵器のない韓半島の平和と日本との友好を心より願っています。
ともに力を合わせ、平和と友好のため、懸け橋としての役割を継続して行きましょう。民団には70年の継続力があります。
皆さん、私たちがともに運動してきた「朝鮮通信使」が昨年10月末に、ついに世界記憶遺産に認定されました。長い善隣友好の記録が世界に認められたことは誠に喜ばしく、今後の両国の親善活動の励みになるものです。
また、本年2月の平昌冬季オリンピックが成功裡に開催されるよう、私たちも一翼を担い、日韓親善協会と協同で参観団を構成するなどして寄与していきましょう。
この3年間、私は議長として、また中央規約委員会の長として、全国役員の意見聴取などを通じて規約整備に力を注いできました。道半ばですが、これからの民団のあり方について抜本的に転換する時期に来ていると実感しています。
次世代の育成、後継者の養成、財政の立て直しは急務です。またへイトスピーチ根絶運動とともに、住民としての権利である地方参政権の獲得運動を継続していきましょう。
民団はこの70余年問、在日同胞社会の求心体として、1世から2世、3世へと継続して運動して来ました。この民団を4世、5世へ如何によりよくバトンタッチしていくかが今問われています。
皆さん、私たちは100年の在日の歴史と70年の民団の歴史を持っています。多様な同胞を結集し、自信をもって民団をさらに成長させていきましょう。
忘れまい「創団精神」…綱領・宣言基本に改革すべき
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親愛なる団員の皆様。私が中央本部監察委員長に就任してから6年が経ちました。委員長立候補時の公約通り毎年「全国監察機関研修会」を実施してきました。この研修を通して全国の監察機関の力量が向上し「規約の番人」としての責務と任務を全うすることができたと思います。
監察機関は、不羈独立、厳正中立、公明正大の基本理念に基づいて様々な問題に対処してきました。民団は2016年、創団70周年を迎えましたが、この間、組織存亡の危機は数多くありました。民団が組織存亡の危機を乗り越え、今日72年という長い歴史を刻むことが可能だったのは規約があったからではないでしょうか。私はそうだと確信をしています。
親愛なる団員の皆様! 民団は今、岐路に立っています。内在している問題は、少子高齢化の中で、次世代育成、自主財政確立、組織幹部育成、新定住者の入団奨励、祖国との紐帯関係や民族の正体性の問題など、どれも喫緊に取り組むべき問題であり、一朝一夕では解決が難しい問題だらけです。固定観念にとらわれず、団員の多様な価値観を尊重しながら、次の創団100年に向けて組織を大胆に改革しなければならないと思います。
しかし一方、「大胆な改革」という耳あたりの良い言葉に惑わされてはいけません。そこに含まれる危険性も認識しておくべきだと思います。民団には綱領があり、7次にわたる宣言があります。綱領・宣言を無視した改革はあり得ません。創団精神を貫く勇気と信念が今ほど求められた時代はありません。
日本社会においては、「ヘイトスピーチ対策法」が施行し、ヘイトデモは減少しましたが、処罰のない理念法に変わりはありません。民団は全在日同胞の求心体として引き続き罰則規定を伴った法改正の実現をめざし強力に運動を展開していかなければならないと思います。
また、世界平和を脅かし続ける北韓の核実験やミサイル発射に称賛を送る朝総連と、それに追従する従北勢力の動きを注視しなければなりません。韓国が定めた敵性団体である朝総連は、民団組織内への揺さぶりをかけています。民団組織の根幹を揺るがす彼らの策動を絶対に許してはなりません。全国の幹部たちは一致団結して、在日同胞のために民団をしっかりと守っていきましょう。
地域での懸け橋役に
在日韓国婦人会中央本部 会長 朴 善 岳.jpg)
昨年は激動と変化の中、世界地図も色褪せる時代に突入致しました。祖国韓国は2カ月間、大統領不在という異常事態となり、私たち在日同胞も不安な日々を余儀なくされました。しかし、5月に文在寅大統領が誕生し、ようやく安堵致しました。祖国の安定こそが私たち在日社会にも安心感をもたらすのです。
今年は日帝植民地支配から解放されて73年を迎えます。安堵感を持ちながらも、未だに日本社会で生活する我々は不安感を抱き続けています。
北韓の核実験やミサイル発射によって日本社会からは北韓への憎悪感が高まっています。それが、南北関係なく私たち在日同胞社会の生活を脅かすヘイトスピーチに繋がっていくのです。
今後、民団と共に婦人会は反ヘイト条例の制定へ全力で活動し、根絶するまで汗を流します。
今年は希望にあふれる未来を築くためにも、婦人会は韓日両国の懸け橋として地域社会との触れ合いを大切にし、良き隣人、平和な韓国、平和な日本を願いながら交流と親睦を深め、自己成長のバロメーターになる活動を展開していきます。
先人の精神胸に前進
在日韓国商工会議所 会長 金 光 一.jpg)
2018年の輝かしい新春を迎え、謹んで新年のお慶びを申し上げます。
本年は1998年に「韓日共同宣言」が結ばれてから、20年という節目の年を迎えます。共同宣言は、韓日関係を一層向上させました。今再びその精神を再確認し、在日同胞社会が一致団結し、韓日関係の改善、そしてさらなる発展に寄与できるよう力をあわせていきましょう。
当会議所は昨年、創立から55周年を迎えることができました。これもひとえに、皆様のお力添えのおかげと、深く感謝しております。そして今、「歴史を重んじ、未来に向かおう」を合言葉に未来に向かって邁進しています。
在日同胞経済人を取り巻く状況は厳しさを増しつつあります。この様な時こそ、先人たちの崇高な精神を胸に、民団をはじめ在日同胞社会の皆様と共に考え、共に行動し現状を打開していかなければなりません。
希望に満ちた2018年が幕を開けました。当会議所は本年も、在日経済の環境改善、韓国と日本の関係強化に寄与できるよう尽くしてまいります。
平昌五輪弾みに飛躍
在日本大韓体育会 会長 崔 相 英.jpg)
間もなく平昌冬季五輪が開幕しますが、ソウル五輪開催を契機にわずか30年の間に、韓国は世界に誇るスポーツ大国として大きな発展を遂げ、経済的にも先進国の仲間入りを果たしました。こうした祖国の躍進は、在日同胞にも深い感動を与え、未来への希望と民族の誇りを抱かせてくれるものであります。
在日のスポーツ界におきましては、祖国が急成長を果たした88ソウル五輪以降、在日から五輪韓国代表選手が生まれていませんでした。しかし、2016年のリオ五輪の柔道に在日から28年ぶりに安昌林選手が出場すると、彼の活躍に刺激を受けた若い選手が2020東京五輪出場を目指し、厳しいトレーニングに励んでおります。
平昌が終われば次はいよいよ2020東京五輪がやってきます。本会ではこれをチャンスととらえ、韓日両国にとどまらず、グローバルな世界へと羽ばたく青少年を育成し、多くの選手が世界の舞台で活躍できるよう、全力で取り組んでいきます。
本年も皆さまのご支援ご声援を宜しくお願い申し上げます。
高めあい成長の年に
在日韓国青年会中央本部 会長 朴 裕 植.jpg)
青年会は昨年、全国組織として1977年2月27日に中央本部が結成されてから40周年を迎えました。40周年事業としてご賛助、ご協力いただきました同胞諸先輩方に改めて、厚く御礼申し上げます。
私たちは1世の歴史、2世の思いを胸に、新たな在日同胞としての歴史をリスタートする立場にあります。青年会40年の歴史の上に、確かな未来を築いていく年とします。その歴史を継承する責任世代の私たちこそが、新たな挑戦を怠ってはならないとここに強く誓います。
青年世代として、世代交代を含む、あらゆる環境面での変化への対応が問われております。とくに韓半島にルーツを持つ意義を私たち自身が頭で考えるだけではなく、どう実感し、体現していくのか、祖父母、父母が築いてきた韓日両社会の発展をさらに発展していくのかが今後最も重要なテーマであると考えております。
青年会は、在日同胞社会や青年会の各種事業を通して、「青年個人の成長を互いに高めあう」ことをモットーに、青年世代の活性化にまい進していきます。
救国精神継承しよう
在日学徒義勇軍同志会 会長 朴 鳳 .jpg)
北韓の奇襲南侵により勃発した韓国戦争は、祖国の自由民主主義を死守するために戦った高貴な戦いでした。大韓民国が洛東江戦線まで後退し「風前の灯」に瀕した時、当時学生であった私たち在日青年学徒642人が自願参戦し135人が犠牲になりました。
仁川上陸作戦及び中西部戦線で戦死した52人の遺骨は63年にソウル国立墓地に移葬され、2013年には移葬50周年慰霊祭も挙行しました。しかし、米軍第7師団に配属され長津湖戦闘で戦死した83人は遺骨さえ発見出来ず、行方不明として処理されていました。92年11月19日にようやく戦死者として認定され、位牌がソウル国立顕忠院に安置されました。
本国では08年から毎年11月11日に釜山の国連軍墓地で国家行事「釜山に向かって」追念式を実施しています。本会でも3年前から135人の犠牲者を悼む追念式を営んでいます。
「祖国があってこそ自分も存在する」という救国の一念で参戦した在日学徒義勇兵の精神は永遠に不滅であり、私たち在日同胞の貴重な遺産にしましょう。
刺激的な自分再発見
在日韓国学生会中央本部 会長代行 余 幸 輝.jpg)
昨年を振り返ると、とても貴重な経験ができた1年でした。私のように同胞が家族以外にいなく、「韓半島にルーツがある」と認識できる機会がありませんでした。
しかしこの1年、そんな機会が数多くあり、刺激的な毎日を送る中で改めて自分のルーツやアイデンティティーを再発見できました。
同胞友人との輪をさらに広げていきたいと思います。1年間の学生会活動をふり返って、自分のやってきたことが正しかったかは、正直なところまだわかりません。しかし、考え、もがき、行動してきた事実は少なくとも自分にとって大きなプラスになったと感じています。
新たに考えさせられたことがあります。それは民団創設時の先人たちの「信念と思い」です。時代が移り変わった今、僕らが当時と同じことを100%行うことはできません。でも、先達はどのような思いで民団を立ち上げ、僕らに何を繋げたのか、何を残してくれたのかをしっかり学び継承する必要があると思います。未来の在日同胞社会のために力強く歩み続けたいと思います。
研究の楽しさ知って
在日韓国科学技術者協会 会長 朴 載 源.jpg)
在日韓国科学技術者協会(科技協)は、すでに最先端分野の研究や技術開発で活躍している在日同胞科学技術者と、科学技術者を目指す学生の紐帯として在日同胞科学技術者が自主的に設立し、専門的な活動を通して知の地平線とネットワークの拡張に努めています。
本会は在日同胞社会にあって科技協ならではの役割を担っています。本会が在日同胞社会の中で、近代から始まり、未来にわたり人類社会の繁栄の原動力となっている科学技術を担う、科学技術者の唯一集団であり、日本を代表する大学や研究機関、企業など様々な職場で世界的視野で活躍する高度な知を結集する集団であるからです。
この集団を構成する科学技術者は様々な必然と偶然の中で科学技術にめぐり合い、研究の楽しさを見つけた人たちです。
本会は在日同胞科学技術者を応援し、科学技術の重要性を同胞社会に伝える活動を続けています。在日同胞が科学技術に関心と理解を深め、若い世代が研究の楽しさを知って世代をこえた研究者が育ち、科学技術が在日同胞社会繁栄の礎となるよう尽力します。
団結して人権改善へ
在日韓国人法曹フォーラム 会長 李 宇 海.jpg)
新年明けましておめでとうございます。私たち在日韓国人法曹フォーラムは、創立以来約5年間、在日韓国人の弁護士団体として、同胞の人権状況の改善のため、微力を尽くしてきました。昨年は、4月に大阪において、12月には福岡において、おのおの民団大阪本部及び福岡本部のご協力を受けて、法律・人権セミナーを行い、国籍や参政権の問題、民族排外主義の動向、また相続等の日常的な法律問題について、啓発する場をもってきました。
あわせて、多くの会員弁護士が民団中央本部人権擁護委員会の委員として、反レイシズムの策動や在日同胞の人権状況改善のために、国連での活動に参加してきました。
韓日ダブルの子どもの増加や、様々な分野において続く民族排外主義の高まりなど、今年も在日同胞の人権状況は難しい問題を抱え続けるでしょう。全国の団員の皆様が団結してこの状況を乗り越えるため、私たちも法律家としての貢献を為し、努力を続ける所存でおります。在日同胞の人権にとって今年が、一歩でも前進する年であることを祈念します。
44の都道府県で営業
在日韓国人信用組合協会 会長 呉 龍 夫.jpg)
昨今の金融機関の経営環境は日銀のマイナス金利政策と金融緩和政策の影響を受け、一段と厳しさを増しております。各金融機関が収益を求めて融資の拡大に全力で取り組んだため、当協会会員組合を含む小規模金融機関は融資の利下げ競争に伴う収益力低下が大きな課題となっております。
昨年は当協会と一部会員組合において多事多難な年でありました。当協会では会員組合のより一層の経営基盤を強化するために、金融当局と協議をしながら当協会主導で合併を推進してきました。昨年の3月13日、旧横浜中央信組が旧九州幸銀信組との合併により横浜幸銀信組となり、11月27日には旧岡山商銀とも合併をしました。
現在、会員組合数は4組合となりましたが、営業地域はむしろ広くなり、日本全国の44都道府県にまたがるようになっております。
当協会は、今年も引き続き在日同胞社会や地域経済を支え、共存共栄できるよう全力を傾ける所存であります。
35年前の創業精神で
新韓金融グループ 会長 趙 炳.jpg)
昨年、新韓金融グループは、会長就任とともに「2020」プロジェクトを開始しました。2020年までに「アジア先導金融グループ、新韓」へと跳躍し、グループのビジョン「ワールドクラスの金融グループ」に近づくためグループ会社が力を合わせて推進しました。その結果、グローバル、デジタルなどグループ事業部門の拡大と新設をはじめ、確固とした成長の基盤を作りました。
皆さんの身近にあるSBJ銀行も設立以来、住宅ローンなどを通じて著しい成長を続けています。最近では、LINEと提携したモバイル両替サービスが好評を得ています。
これらの成長の裏には、35年前、韓国金融に新しい風を呼び起こし、母国の経済発展の原動力となった在日同胞株主たちの崇高な行動力がありました。小さな後発銀行が力強く成長し、韓国金融界のリーダーになれたのは在日同胞皆さんの信頼と愛情のおかげです。2万6000人の役職員一同は、心に深く刻みます。
韓国へ進出サポート
(社)在日韓国人本国投資協会 会長 金 和 男.jpg)
皆様には、健やかに新春を迎えられたことと、お慶び申し上げます。
旧年中は、本国投資協会にひとかたならぬご愛顧をいただき誠にありがとうございました。
民団をはじめ関連団体の皆様、そして当協会の会員社の皆様に、旧年中賜りました一方ならぬご厚情に深謝いたします。
昨年は、韓国内で新政府の誕生とともに政府政策の多くの変化の始まりの年でした。また、新年も続いて南北関係、国内外企業の競争激化、原材料価格、賃金、税率および資金調達金利変動など乗り越えていかなければならない数多くの課題があります。
一方で、韓日中の関係が相互の進展のための努力を惜しまないという良い面も見受けられます。
このような状況で、私たち協会も両国の発展のために国内外で努めている在日同胞の皆様の本国への投資および本国での事業、青年の就業と学業の向上のために最善の努力を尽くして参りたいと思います。
(2018.01.01 民団新聞)