掲載日 : [2018-04-25] 照会数 : 13877
全国で団員戸別訪問…地方団長会議で示達
[ 韓国中央会館で開かれた前半期の全国地方団長・中央傘下団体長会議 ]
[ 朝鮮通信使縁地連の松原理事長(右)に感謝状を伝達 ]
連絡網の整備図る…組織改革は来年を目途に
2018年度前半期全国地方団長・中央傘下団体長会議が24日、韓国中央会館(東京・港区)で開かれ、在日同胞社会の大統合や組織改革委員会の設置、次世代育成事業等、団務示達を確認した。また、組織改革委員会、人権擁護委員会、民団生活相談センターの委員長らに委嘱状が伝達され、18年度の活動が本格的に始動した。
会議の冒頭で呂健二団長は、「就任して2カ月間、中央委員会で採択された今年度方針の中身を精査してきた。本日の会議で皆さんと討議し、一つひとつ着実に具体化していきたい。民団の使命は在日の生活を守り、韓日の懸け橋になることだ」とあいさつした。
朴安淳議長は「平昌五輪以降、本国情勢が急激に変化している。南北首脳会談、米朝首脳会談開催で在日同胞の生活にどういう影響があるのか。慌てずに沈着に対応していこう」と呼びかけた。梁東一監察委員長は「組織の原点に立ち返り、戸別訪問活動によって団員との絆を深め、強固な民団づくりにともに汗を流そう」と訴えた。
李洙勲駐日大使は激励辞で「時代の変化にともない、在日同胞社会も構造変化に直面している。本日の会議では、能動的で未来志向的な在日同胞の求心体として今後の民団の方向性を論議してほしい」と求めた。
辛容祥常任顧問は「同胞との絆を深く大切にしようとする全国単位の戸別訪問活動に、民団の新しい希望を感じる。選挙管理委員長として全国を回り、地方参政権の実現を求める声を聞いた。団員と地方、中央本部との関係を強化しよう」と強調した。
感謝状などの伝達では、朝鮮通信使のユネスコ世界記憶遺産認定に深い理解を示し、長い間尽力した朝鮮通信使縁地連絡協議会の松原一征理事長に感謝状と沈壽官作の薩摩焼が手渡された。今年の地方大会で団長職を終えた前職団長らには感謝牌が伝達された。続いて組織改革委員会の金泰勲委員長、人権擁護委員会の李根委員長、民団生活相談センターの金昭夫所長に委嘱状が渡された。
団務示達では、在日同胞社会の大統合について、「ネットワークをつくろう!同胞訪問運動」のスローガンのもと、全国の本部・支部が2万世帯の団員宅を戸別訪問を実施する。団員の居住実態を把握することで団員と民団組織の絆を強化することや震災などの緊急時に団員の安否を確認するための携帯電話連絡網を作成することが目的。
組織改革委員会は民団の制度、機構・機能を抜本的に再検討し、今の時代に対応できる組織に整備するための提言を整理する。今年度中に民団組織全体の現状を分析し、来年には改革の青写真を提出する。
次世代育成事業は今年で10回目になる在日同胞オリニジャンボリーを中心に展開する。7月28日から8月1日の4泊5日でソウル市内探訪のほか、初等学校に1日体験入学し、本国の同世代と交流を図る。今年は小学4年から6年までのオリニ320人と運営要員100人の420人規模。
中・高・大学生を対象にした在日同胞次世代サマースクールは、大学生が8月6日から9日、中高生合同は8月19日から22日の開催でともに3泊4日。韓国の現況や、在日同胞の歴史と未来の役割について学ぶ。
同胞生活支援事業はみんだん生活相談センターの全国展開を図るとともに、施行から10年が経過した本国の家族関係登録制度(旧戸籍制度)をさらに浸透させるために、「家族関係登録診断(仮称)」キャンペーンを推進する。相続・結婚・出生を前にして、家族関係登録に問題がないか調べ、問題があればサポートを行う。
生活権拡充・権益擁護運動は人権擁護委員会を中心に、ヘイトスピーチ根絶運動を継続する。「ヘイトスピーチ対策法」に依拠した地方自治体条例制定やインターネット上のヘイトスピーチ根絶を、日本政府や地方自治体に要望する。地方参政権獲得運動は運動の再構築に着手する。これまでの運動の蓄積を土台に、運動の意義と韓国籍を維持しながら地方選挙権を住民の権利要求であることを再認識する学習会を各地で開催する。
(2018.04.25 民団新聞)