心と体の健康状態 韓日中米アンケート
日本国立青少年教育振興機構が調査・発表 日本国立青少年教育振興機構(鈴木みゆき理事長)が昨年、韓国、日本、中国、米国の4カ国の高校生8480人を対象に、「心と体の健康状態について」のアンケートを行った結果、韓国の高校生たちは、米国、中国、日本に比べて最も遅くベッドに入り、食生活習慣も良くないことが分かった。同機構が最近発表した。
この調査は、運動、生活習慣、食生活、ストレスや人間関係のあり方などを通して、高校生の心と体の健康の実態を把握するために実施した。また、韓国、米国、中国と比較することで、日本の特徴や課題を分析し、青少年の健康づくりに資する基礎データを提示することを目的としている。
設問は38項目あり、韓国からは14市道、38校2015人が参加した。
零時過ぎに就寝7割
「朝食抜き」が36%…即席麺もよく食べる 韓国は夜12時以降に寝る比率が69・5%で、中国(11・7%)、米国(17・9%)、日本(45・1%)より大幅に高かった。
起床時間も遅かった。他の国の高校生の半分以上は「午前6時30分前に起きる」と答えたが、韓国は10人中2人だけだった。また、韓国の場合、朝食をほとんど食べない比率が36・1%で、日本(6・5%)、中国(7・5%)を大きく上回った」と説明した。
食生活についても韓国は1週間に3回以上インスタントラーメンを食べたという回答も、韓国が17・5%と最も高く、中国(10・4%)、米国(8・1%)、日本(4・8%)と続いた。一方、野菜を毎日摂取しているという割合は韓国は30・1%で最下位だった。
◆ストレス感減少の傾向 「最近1年間、ストレスを感じたことがあるか」との問いに対して、2010年調査で韓国は約5割が「よくある」と回答していたが、この7年間で32・5%まで下がり、米国、日本よりも低くなった。
ただ、ストレスの原因についての回答は「進学・進路」が58%、「勉強のこと」が64・5%だった。
◆自己肯定感、7年前の倍 「私は価値のある人間だと思う」「私は人とうまく協力できるほうだと思う」「私はいまの自分に満足している」「私は努力すれば大体のことができると思う」「私は辛いことがあっても乗り越えられると思う」に対し、「そうだ」「まあそうだ」と回答した者の割合は、韓国ではいずれも7年前より2倍以上高くなっている。
「私は何をしてもきちんとできない」という悲観的回答(66・2%)が、4カ国中、唯一50%を超えた。
◆「眼鏡常用」4割以上に 視力についても韓国の高校生は「1・0」以上が21・7%で米国(38・2%)、日本(29・5%)に比べて低い。さらに眼鏡常用の基準となる「0・3以下」と回答した者が44・4%と韓国が最も高く、日本(38・1%)が次いだ。
◆ネット接触は〞ほどほど〟「寝不足になる」3割どまり 「インターネットをする時間や頻度を減らそうとしても、できないことが多い」に対し、「とてもあてはまる」「まああてはまる」と回答した者の割合が最も高いのは、米国(49・7%)で、最も低いのが韓国(22・6%)だった。
また、「歩きながらスマホなどを操作することが多い」について、「とてもあてはまる」と回答した者の割合は、米国32・1%、韓国23・7%、日本8・4%、中国6・5%となっており、米国が最も高かった。「まああてはまる」を合わせると、米国67・3%、韓国56・5%、日本39・6%に対し、中国が25%と低い。
「インターネットに夢中になって寝不足になることがある」について、「とてもあてはまる」と回答した者の割合は、米国が33・7%とほかの3カ国に比べて突出して高い。「まああてはまる」を合わせると、米国が65・6%にも達している。これに対し、日本45・5%、韓国30・7%、中国23・4%と低くなっている。
「インターネットをしている最中に、注意されたり邪魔をされると、いらいらする」について、「とてもあてはまる」「まああてはまる」と回答した者の割合は、米国33・9%、中国30・8%、日本29・2%、韓国23・7%の順となっており、4カ国で大きな違いがなかった。
◆濃密な親子関係 親との関係では、親(保護者)は、「私のことを分かってくれる」「私の悩みを聞いてくれる」「私を時々ほめる」「私は親(保護者)と一緒にいるのが好きだ」に対し、「そうだ」「まあそうだ」と回答した者の割合が、韓国ではいずれも8割を超え、4カ国の中で最も高く、親子の関係は濃密だ。
韓国に次いで高いのが日本で8割前後となっているが、「私を時々ほめる」「親と一緒にいるのが好きだ」では7割を超えているものの75・6%で韓国(84・4%)、米国(78・1%)、中国(77・1%)に比べて低い。
一方で「私のことを分かってくれる」「私の悩みを聞いてくれる」では中国が7割に達せず、4か国の中で最も低くなっている。
友だちとの関係では、「友だちと一緒にいる時は、楽しい」について、「そうだ」「まあそうだ」と回答した者の割合は、4か国とも約9割と高い。「友だちが私をどう思っているか気になる」は日本61・6%、韓国57・0%、中国54・2%、米国51・8%の順となっており、4カ国とも半数を超えた。
「友だちに合わせていないと心配になる」では、米国が55・4%と最も高いが、韓国は25・1%(日本35・5%、中国31・9%)で最も低い。
◆教師に高い信頼感 韓国と米国の高校生
は教師との関係を高く評価している。
学校の先生との関わりでは、韓国は「学校には私を理解し、認めてくれる先生がいる」について「そうだ」「まあそうだ」との回答が75・6%と最も高い。
また、「学校には何でも相談できる先生がいる」についても、韓国は「そうだ」「まあそうだ」と回答した者の割合が66・6%と最も多く、米国(62・32%)より高い。一方、日本(36・2%)、中国(47・2%)は韓米との差が大きい。
この質問に対し、韓国は7年前の調査から大幅に高まっており、教師への信頼度が高まっている。。特に「何でも相談できる先生がいる」では、2010年の33・4%から66・6%に倍増している。
◆皆勤率はダントツ 自分の健康状態について、2010年調査と比較してみると、「健康である」と回答した者の割合は、日本(24・3%から
25・6%)と中国(16%から16・1%)ではあまり変化がみられないが、韓国(18・5%から31・8%)と米国(28・8%から37・7%)では大幅に増えた。
また、最近1年間の病気などでの欠席状況について、「全くない」は韓国が7年前とほぼ同じ72・9%で中国(57・5%)、日本(55・2%)、米国(28%)より大幅に高くなっている。
◆スポーツ…クラブ参加低いが野外活動は活発に 「運動やスポーツをするのが好きか」という設問に対し、「とても好き」と回答した者の割合は、米国が54・8%と最も高かった。次いで日本37・7%、韓国28・8%、中国15・2%の順となっている。ただし、「まあ好き」を合わせると、4カ国ともに7割を超えている。
「学校や地域の運動系のクラブに参加しているか」について、「参加している」と回答した者の割合は、米国が63・4%と最も多く、中国(51・5%)、日本(43%)が次いで、韓国は17・1%と最も低い。
一方で「この1年間、キャンプ、山登りやハイキングなどの野外活動をしたことがあるか」について、「5回以上あった」と回答した者の割合は、米国が34・2%と4カ国中最も高く、韓国は13%で2番目だった。「1〜4回」と合わせると韓国(76・8%)は米国(82・2%)と同レベルだった。
これに対し、日本は「5回以上」は2・7%、「1〜4回」を合わせても37・8%に過ぎず、4カ国の中で最も低かった。
※参考文献:日本国立青少年教育振興機構、「高校生の心と体の健康に関する意識調査報告書‐日本・米国・中国・韓国の比較‐」より。(2018.04.11 民団新聞)