平昌冬季五輪のスピードスケート女子500メートルで銀メダルを獲得した韓国の李相花選手と金メダリストの小平奈緒選手らによるトークショー「平昌から東京まで」が19日、東京の韓国文化院で開催された。
女子500メートルのレース後、小平選手が太極旗を持った李選手を抱きかかえ、健闘をたたえ合うシーンが感動を呼んだ両選手は五輪当時を振り返るとともに、両国のスポーツ交流などについて話した。
平昌五輪を成功させた経験を日本と共有し、韓日両国のスポーツ交流を活性化しようとの趣旨で韓国大使館が主催した同イベントには両国の著名アスリートや政府関係者が参加した。
韓国からは李選手のほか、平昌五輪のリュージュ2人乗りに出場した朴鎮用選手が参加した。日本からは平昌パラリンピックのクロスカントリースキー男子10キロクラシカル立位で金メダルを獲得した新田佳浩選手が平昌で
の経験を紹介した。
トークショーの前には平昌五輪大会組織委員会の李熙範委員長と外交部の朴銀夏公共外交大使が出席し、平昌五輪の成功事例を紹介した。また東京五輪・パラリンピック組織委員会の遠藤利明会長代行と、スポーツ庁の鈴木大地長官が東京五輪の準備状況を説明した。
この後、行われたトークショーで「互いの魅力と紹介」との質問に李選手は小平選手について、「気楽だからか、一緒にいると何でもないことで笑ってしまう」とし、「一緒にいる時は友だちのように過ごすが、競技になると集中する姿が印象的だ」と紹介した。
また、レース後に抱き合った時、小平選手から「チャレッソヨ(よく頑張ったね)」と言葉をかけられた李選手は「ナオは順位にこだわらず、(後に出走する)ほかの選手たちを待って励ましている姿を見て感動した。私も激励を受けて、余計に込み上げるものがあり涙が多く出てしまった」と語った。
小平選手は李選手について、「プライベートな場ではおしゃれな服を着て女性らしい姿を見せるが、リンクでは表情や態度が変わり王者の風格を漂わせる」と紹介し、「私の考える理想的な選手」と称賛した。
小平選手はまた、平昌五輪のメダル授与式で韓国のボランティアがカイロをポケットから出して渡してくれたというエピソードを紹介し、手も心も温まったと話した。
李選手は「自国開催の五輪でもあり、多くのプレッシャーを感じ、ひどく緊張した」と振り返った上で、東京五輪の成功を祈り、「平昌の熱気がそのまま東京に続いていってほしい」と話した。
小平選手が「スポーツは国境を越えて友情を育てる良い機会。韓国語と日本語を混ぜて使って関係を築き選手としても発展を重ねてきた」と語ると、李選手も「スポーツは国家を離れて記録と認定される。スポーツに国の壁はない」と口をそろえた。李選手はまた、「今回の五輪で韓国と日本の和合を人々に示すことができて良かった」と語った。
「李選手に言った『チャレッソ』という韓国語はどこで覚えたか」との質問に、小平選手は「自分が知っている韓国語は全部、サンファから学んだ。以前、サンファが私に『チャレッソ』と励ましてくれたので」と答えると、李相花選手も「私が知っている日本語も全部ナオから教えてもらった」と言葉の教え合いでも仲の良さを見せた。
李選手は小平選手に韓国を案内したこともあり、「私にも日本を案内して」と言うと、小平選手は「サンファをまた日本に呼んで、美味しいものを一緒に食べ歩きたい」と答えた。
この日のイベントでは平昌五輪の会場で使用された音楽を韓国の伝統弦楽器「玄琴(コムンゴ)」や「伽耶琴」で演奏するミニ公演も行われた。
(20185.4.23)