掲載日 : [2016-08-24] 照会数 : 15650
<光復71年民団式典>「創団70年」新たな跳躍へ…「同胞大統合」果敢に
[ 中央式典のフィナーレでスローガンを叫ぶ団員ら ] [ 民団と在日同胞の歴史を写真で紹介した光復節中央式典会場のギャラリー(江戸川区総合文化センター) ]
第71周年光復節中央記念式典が15日、民団東京本部の主管で開催され、団員ら約2000人が東京・江戸川区総合文化センターに集まった。参加者は民団創立70年の歴史的な年を迎え、組織整備や次世代育成、同胞大統合などの課題に挑戦し、新たな跳躍を誓いながら、1,韓半島の非核化と平和統一促進に尽力2,次世代育成を通じた組織活性化と民族主体性確立に全力3,差別のない平等社会実現に率先4,安定した韓日関係確立に積極参与‐などの決議文を満場一致で採択した。全国各地で開かれた光復節記念式典でも同様の決議がなされた。日本の各党代表はヘイトスピーチ根絶を強調した。
共生社会実現にも率先
中央式典は金秀吉東京本部団長の「民団は祖国発展と在日同胞の人権拡充・生活安定のためにまい進してきた。光復節を期して激変する内外情勢に対応し、さらに努力する」との力強い開会辞で始まり、続いて李俊揆駐日大使が朴槿恵大統領の「慶祝辞」を代読した。
中央本部の呉公太団長は慶祝辞で、「今年創団70周年を迎え、今日まで日本社会の差別と偏見と闘いながら、権益擁護運動で様々な権利を勝ち取ってきた。その過程での苦難や、本国に貢献してきた歴史を理解してもらおうと、ソウル市庁をはじめ本国10カ所の自治体で記念写真展を開催している。本国の教科書に在日同胞の歴史を掲載するよう政府に働きかける運動も展開しているところだ」と述べた。
呉団長は「2年ぶりに開催したオリニジャンボリーを成功裏に終え、中学・高校・大学生を対象にしたサマースクールや、青年会主催の母国研修を通じて、同世代の連帯を深めながら、母国との一体感を図る準備にも余念がない。1世がつくった民団の物心両面の財産を次世代にスムーズにバトンタッチし、より成熟した同胞社会を継承させよう」と訴えた。
また、10月開催の70周年記念式典では、韓日のはざまに生きる在日の立場から、「在日同胞の幸福追求のみならず、韓国・日本の発展のためにも尽力することを宣言する」と強調した。
懸案の慰安婦問題が昨年末の韓日両国首脳の英断による合意にもとづき、少しずつ関係改善の兆しを見せてきたことにも言及し、「まだ良好とは言えないが、民団は韓日合意が誠実に履行され、両国関係が『盤石だ』と言われるよう、より一層懸け橋の役割を果たしていく」と立場を鮮明にした。
ヘイトスピーチに関しては「対策法」が成立しても、今もヘイトデモが各地で繰り返されている現状に憂慮を示し、「共生社会を築くために、一日も早い根絶のために全力を尽くす」と改めて決意を述べた。
日本各党代表祝辞「ヘイト根絶」へ尽力
式典には、自民、公明、民進、共産の各党代表が出席した。祝辞で自民党の土屋品子広報戦略局長(衆議院議員)は「昨年末の慰安婦問題合意により,関係が前向きになった。参議院議長や埼玉県知事などを歴任した亡父の土屋義彦が、韓国・全南に杉の種50万本を送り、今では森になった。私も生涯日韓友好関係に努めた父に習い、檜の種50万本を寄贈した。これからも地道な交流を続けたい」とあいさつした。
公明党の魚住裕一郎参議院議員会長は「ヘイトスピーチ対策法に関しては、法務委員長として新大久保や川崎を視察しながら、在日の皆さんの熱い気運の中で全会一致の成立を果たすことができた。地方参政権の問題も皆さんに協力して頑張る」と決意を述べた。
民進党の白真勲参議院副幹事長は「リオ五輪に参加している日本選手の中には、外国系もいる。彼らの存在が日本社会の共生推進につながる。東京五輪を開くというのに、ヘイトスピーチとは冗談じゃない。在日出身の唯一の議員として差別的言動をなくす努力をする。地方参政権獲得もあきらめない」と鼓舞した。
共産党の小池晃書記局長(参議院議員)は「日本の支配から解放された記念日、侵略された人々に二度とそのようなことが繰り返されないよう決意する。人間の尊厳を傷つけるヘイトスピーチを規制する対策法の成立は、画期的な成果だ。ヘイト中止に追い込み、共生社会に邁進したい」と述べた。
韓半島の非核化と平和統一に尽力する、創団70周年を迎え新たな跳躍を期すなど5項目の決議文が採択され、スローガンにまとめられたものを青年会員が会場と一体になってシュプレヒコールした。締めくくりは東京本部の夫昇培常任顧問の音頭による万歳三唱とともに全員が太極旗を打ち振った。
(2016.8.24 民団新聞)